コロナの中で外国人はどうしている!!

2021年11月30日

 

コロナの感染が広まり始めて2年が経過しました。家庭、学校、職場の私たちの日常は、大きな変化を余儀なくされました。県内の外国人も収入が減り解雇され将来計画の変更を迫られる等、日本人以上に大きな影響を受けています。
今回は、昨年7月26日、生活が苦しい県内ベトナム人へ生活支援米を配布した「静岡県ベトナム人会」会長の”ドアン・ソン・トゥン”さんから、お話を聞きました。

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―皆さんが待っていた支援でしたね―

ベトナム人の駆け込み寺となっている埼玉県大恩寺からお米が提供され、静岡県国際交流協会や周りの人が支援してくれて支援米の配布が実現しました。「静岡県ベトナム人会」はベトナム人25名が集まった小さな団体です。交流会、サッカー、音楽を皆で楽しもうと活動しているのですが、支援が出来てうれしいですし、支援活動に協力してくれた皆様に感謝しています。

―外国人はコロナの影響で仕事を失う、帰国するなど、大変な影響を受けています。ベトナム人はどうですか―

今静岡県内にいるベトナム人は大体9,000人位だと聞いています。技能実習生や就労者として働く若者が多いのです。解雇を言い渡され、日本にいたいのに帰国した者もいますが、新たな労働者の来日はストップしているので、時短等で収入は減りながらも、同じところで働き続けている人が大半ではないかと思います。
 1年前は解雇や休業の話を多く聞いた最悪の時でしたが、幸いなことに、自動車産業が回復し、休業指示も減り、勤務時間も通常に戻った等とほっとする話を聞いています。

―コロナの影響は長引きそうですが、政府が実施している「特定活動」や「特定技能」等実習生や就労者への在留支援策を知っていますか?皆さんは利用していますか?―

聞いてはいますが、技能実習生や就労者が10人集まっても、そのうちの一人か二人が在留資格変更のために入国管理局に行く決心をする位かと思います。日中は働いているし、日本語が障害となって相談もできないうえに、交通費や時間もかかりますから。生活の支援や必要な情報は、彼らを会社に派遣した監理団体に頼っているので、監理団体が協力・支援してくれなければ何もできないと思います。
 でも、在留や定住の可能性を広げてくれる新制度は、日本にいたいと思う実習生や就労者に希望を与えてくれます。また、日本でしっかり働けば、帰国後、母国の日本の企業に派遣をしてくれる会社も出てきたと聞いています。5年しか働けず帰国するしかないのであれば、無理も無茶もするかもしれませんが、将来の希望があればみんなしっかりと働くと思います。希望は必要です。

*ドアンさんは細身のスーツをビシッと着こなす好男子です。インタビュアーの目を見つめて「実習生の希望」を話す姿は印象的でした。静岡産業大学の経営学部を卒業し、県内の企業に就職して10年が経ちましたが、今年3月ドアンさんはこの会社を円満退社しました。3人目のお子さんも産まれ、奥さんを助けるため、奥さんが袋井市内で経営するレストラン「ブン・チャー・ハノイ」で働くことにしたのです。日本での生活が根を張り、広がっていきます。

記:編集ボランティア 杉山滋敏