外国人支援アドバイザー レティ ミーハンさん

2019年10月24日

静岡県国際交流協会 外国人支援アドバイザー レティ ミーハンさん

ミーハンさんはベトナムホーチミンから来日して10年、すっかり日本での生活にもなじみ、現在焼津市に日本人の夫、長男、夫の母の4人で住んでいます。

イメージ画像

日本への関心は何がきっかけでしたか?

ホーチミン市に住んでいた高校生の時、市内で家族が引っ越ししました。
引っ越し先の先住者が残していったものの中から、DVDを見つけました。
それが日本のドラエモンでした。私はドラエモンをテレビで知っていましたが、そのDVDを見て日本へ関心を持ちました。その時から日本語を勉強始めました。

日本語をどうやって学んだのですか?

ドラエモンなどの影響で日本語に興味があり、ホーチミンの日本語学校に通いはじめました。
大学では、経済学部で旅行・観光学を学びました。できるだけ日本語に接しようと思い、土日は時々日本からベトナムへ来た日本人ボランティアをサポートしながら通訳しました。ベトナムの旅行会社で日本からの旅行者の観光の企画・ガイドのアルバイトもしました。そしてそのままその旅行会社に入社しました。

何のきっかけで日本に来ましたか?

あるときベトナムの新聞の中で、静岡の食品会社がベトナム人の募集をしているのを知り応募して採用されました。
食品会社では、ベトナム関係会社と連絡したり、翻訳したり、現場での仕事などをしました。

どんな仕事の経験を積んできましたか?

仕事が慣れるにつれて、通訳だけでなく実際の現場での作業もやりました。大変でしたが、仕事だけではなくて、人間関係など、色んな事の勉強ができました。
8年間そこで働き副班長にもなりました。

管理者になるには現場の仕事を理解する必要があり、それは貴重な経験ですね。

通訳ができ、作業ができるだけでは管理者は勤まりません。
現場の仕事をよく理解していることは本当に大切だと思います。

何故会社を辞めてしまったのですか?

日本人と結婚し、子供が生まれました。それで仕事と子育てとの両立がむずかしくて仕事を一時的にあきらめました。
その後、日本でも女性が働きやすくなってきたこともあり、仕事に復帰しようと思いパートでの仕事を始めました。

今年の4月から、日本では外国人の受け入れ制度が変わりました。まだ十分には内容が確立していませんがとりあえず制度をスタートさせ、変化をもたらそうとしています。中身はこれからですね。

私は現在、日本であまり日本語が理解できなくて、困っているベトナム人を助けたいために、主にベトナム人を対象とした静岡労働局での相談、静岡県国際交流協会での就労相談と生活相談の仕事などを掛け持ちでやっています。
対面での相談やメールや電話での対応です。

まさにこれから、外国人の人材を多く受け入れていくために通らなくてはならない問題がいっぱいあるということで、ミーハンさんの活躍の場ですね。

海外から日本に働きにくる人も、日本の制度や習慣を十分納得した上で来日するひとばかりではないですね。
例えば、健康保険料、年金保険料その他、給料から天引きされる経費がたくさんあります。ベトナムでの制度と日本の制度は異なりますので、なぜ天引きされるのかわからないひとが多いのです。

ミーハンさんはすっかり日本の生活になじんでおられます。これからもミーハンさんのように日本において働き、日本の社会にも貢献してくれる人材が求められています。そのためには何が大切でしょうか?

何事も、興味を持つことから始まります。わたしの場合、日本のアニメや日本語に興味を持ち、勉強を続けているうちに日本にくるチャンスがきました。
興味をもったものを続けて勉強し努力していくうちに仕事も楽しくなってきます。

日本、静岡の魅力は何ですか?

静岡は気候もいいし住みやすいです。東京のように、混雑していなくて程よい環境です。知り合いになると人々は親切で、優しくて気を使ってくれます。日本人はマナーもいいですね。

ミーハンさんの将来の展望はどうですか?

これからもずっと日本に住むことになるでしょう。国際人というよりベトナム出身であるということを除けば、だんだん日本人化してくるように思います。

 

ありがとうございました。これからのご活躍を大いに期待しております。

記:編集ボランティア 池田 昌弘