Casa de Amigos カサ・デ・アミーゴス(友だちの家) ~ 困窮する外国人に支援の手を差し伸べる~

2021年09月02日

 

昨年11月に発足30周年を迎えたカサ・デ・アミーゴス(以下Amigos)は、三島市を拠点として、日本での生活に困窮した外国人を支援し、国籍・人種を超えた同じ仲間として、日常生活、仕事や教育などの様々な場面で直面する困難な境遇を少しでも改善することを目的に活動を行っています。

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Amigosの活動(4本柱)

Amigosの活動は、生活相談、労働相談、学習支援、食糧支援が、その4本柱です。日常の生活で困っていること、たとえば役所の手続きを支援したり、母子家庭の生活相談などを行っています。学校でのいじめやDVに対する相談、近隣とのトラブルなど、言葉や文化、生活習慣の違いから生じる誤解や偏見によって様々な問題が生じています。職場でも、差別的な就労、不当解雇、労働災害、給料の不払い、失業問題などが発生しています。言葉がよくわからないことから学習に立ち後れている子どもたちも大勢います。学校での日本語の授業にはついて行けませんし、日本の学校文化への適応も難しい、高校進学の壁もあります。そして、人の命をつなぐ“食”。多くの人が日々の食糧に困窮する一方で、まだ食べられる食糧品が大量に捨てられています。この余っている食糧を活用して必要な人に配布できるような仕組み作りをして支援をしています。

コロナ禍でますます

コロナ禍で、経済活動が制約され、結果として企業の倒産や廃業、それにともなう失業や解雇、大幅な収入減などが社会問題となっていますが、真っ先にしわ寄せを受けるのがいわゆる“弱者”であり、その代表格が外国人労働者です。就労したくても職がなく、彼らの困窮は待ったなしの状況で、中には、その日に食べるものすらない人もいます。

最近の活動内容

コロナ禍が長引いている中、非正規労働者の多い外国籍の人々に対し、不安を解消し、当面の生活をなんとか維持できるよう支援することが喫緊の課題であり、生活相談を充実させるとともに、支援のための体制作りに注力しています。静岡県内ばかりでなく周辺の地域にも手を広げ、フードバンクやNPO、余剰食糧を提供してくださる企業やお店、個人の方々との連携を強め、食糧支援の拡充を目指しています。また、外国人自前の食品運搬体制の構築にも取り組んでいるところです。
 労働相談においても、相談窓口、広報活動を充実させ、外国人労働者自前のユニオンを立ち上げることなどにより、相談しやすい窓口となるよう取組みを進めています。
 コロナの影響もあって、更に学習の機会を奪われている子どもたちへの学習支援にも力を入れています。ただ勉強を見てあげる、日本語を教えるということにとどまらず、最近では、子どもたちの料理教室を始めました。親の貧困化が子どもの食を奪う状況下、自前で食事を作れる子に育てることが目的です。また、最近のオンライン学習の流れにあって、パソコンをはじめ学習できる環境を持っていない子どもたちのために、ハード、ソフト両面からサポートできるよう、取り組んでいます。
 Amigosは、緊急に必要な食糧支援ばかりでなく、外国人や外国にルーツを持つ人々が、人種や国籍によらず、日本の社会の中で自立し共生をはかれるようにサポートをしていきます。人はみな、“友だち”なのです。

記:編集ボランティア 金子 諭