フィリピンからの実習生にインタビュー!!
2018年09月28日
フィリピンからの実習生
浜松市中区の自動車部品会社に毎年、数名のフィリピン実習生がやってきます。彼らは外国人技能実習制度の枠組みの中で、現在溶接の実習をしています。会社の近くの寮で共同生活をしながら2年目、3年目を迎えた4人にお話を伺いました。
日本に来たきっかけは何ですか?
・日本の実習制度をインターネットで調べ応募した。
・兄弟や友達が以前この制度を使い日本で実習していた。
・溶接の技術をもっと勉強したかった。
日本での実習はどうですか?
・言葉が分からないと仕事ができないから日本語を一生懸命勉強している。
・仕事で分からないことは先輩が教えてくれる。仕事を覚えることも大変だが日本語の勉強はもっと難しい。
・溶接の仕事は大変だけどがんばれば3年間の実習終了証と溶接技能試験合格証がもらえる。これがあればフィリピンでも他の国でも仕事を見つけやすい。
・日本の食べ物はおいしい。特にラーメン、唐揚げ、餃子、焼き肉、寿司が好き。冬は寒いし、夏もフィリピンより暑いと思う。
実習後の夢を教えてください。
・この3年間でたくさん貯金し、帰国後は家を買いたい。
・日本語をもっと勉強して現地の日本企業で働きたい。
・日本語学校の先生になりたい。
・帰国後はまた別の国で働きたいと思う。
(4人とも帰国後の夢のため今は無駄遣いをせず給料のほとんどを貯金し月1回の外食を楽しんでいるそうです)
彼らを支える日本人女性
そんな彼らの脇に、4人を見守りその日も日本語の指導を終えたばかりの杉本京子さんがいました。彼女は10年間、この会社に来たフィリピンからの実習生の面倒を見続け、彼らから「日本のお母さん」と呼ばれ慕われています。支え続けた10年間を語っていただきました。
「彼らは日本政府が取り組む外国人技能実習制度を使って実習に来ています。先ず、来日前に3ヶ月間、日本語を勉強します。来日後、日本語、日本の文化、交通規則、その他日本の生活ルールを1ヶ月間勉強し、その後、各地の企業に配属され実習に入ります。
私は生活指導員として毎日の生活ルール(ゴミ出し、買い物の仕方、自転車のマナー、近所への気遣い、”くわえたばこはダメ”など)を教え、その都度注意しながら彼らが日本で楽しい生活が送れるよう見守っています。口座開設、転入の手続きのため銀行や区役所に連れて行くのも当初の私の仕事です。一番大変なのは病気やけがをした時。病院に連れて行き、時には入院時に付き添うこともあります。また、最低でも日本語検定N4が取れるよう日本語の指導をしなければいけません。N4を持っていれば帰国した時に役立つと思うからです。20代の若者たち、遊びたいこともたくさんあるでしょうが今は無駄遣いしないで貯金するよう口を酸っぱくして言っています。
10年間を振り返ると楽しいことも大変なこともありましたが、ここまで続けられて本当によかったと思います。日本での経験が帰国後の彼らの将来に役立つことを祈るばかりです。」
記:編集ボランティア 高木睦子