静岡県国際交流員のパメラ・パルマさん(フィリピン出身)
2017年01月30日
Q:日本・静岡県に来られたそもそものきっかけは何でしたか?
A:大学の経営学部・日本語学科で日本語を勉強しておりましたので、日本語のスキルが活用できるところで働きたいなという希望をもっておりました。
マニラ市内のホテルでの勤務、その後転職した銀行やアメリカ大使館においても日本語が使えるということがキーとなって転職することができました。
Q:静岡県との出会いは?
A:日本の地方自治体が総務省、外務省、文部科学省及び一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)の協力の下に実施しているJET(Japan Exchange Teaching Programme)の語学や国際文化交流プログラムのなかで、静岡県が国際交流員を募集していることを知り、応募しました。
フィリピンでの勤務中に日本へ来る機会が何度かあり、静岡県が東京、大阪の中間にあって、便利なところだと思っていました。
Q:静岡県とフィリッピンはなぜそんなに関係が深いのでしょうか?
A:静岡県内の外国人は浜松を中心にブラジル人が一番多いですが、次がフィリッピン人で、県内に13,000人が住んでいます。
ご存じのように、日本もフィリピンも海洋国家で、水産物の加工や取引に関係する仕事も多くあり、そこでフィリピン人が多く、働いています。
Q:フィリピンの人からみて、静岡県はどんなところですか?
A:富士山はもちろん有名ですが、こちらに来て特に感じることは、日本人のやさしさや、食べ物の豊富さ、伊豆半島、浜名湖など、観光資源の多いところだと感じます。
ただ、情報の発信、特に英語での発信が少ないことが気になります。
ホームページなどはもちろんですが、街を歩いていても、英文でのサインやパンフレットなどがまだまだ少ないですね。
伊豆の温泉など、楽しめるところが多いですが、水着で温泉に入れるところを私はまだ知りません。 そんなところがあれば、もっと多くの外国人が訪れるのではないでしょうか。
Q:日本人に対してどんな印象を持っていますか?
A:教育熱心ですね。学校でのお掃除、給食、しつけなどトレーニングをきちんとやります。受験勉強も大変ですね。
働く人は、まじめで仕事熱心、残業もいとわない。会議をよくやり、計画もきちんと立てます。それに時間をきちんと守るというのも印象的です。
フィリピンでは健康、ストレス予防、家族を大切にするという点から残業はあまりしません。文化の違いでしょうか。
Q:日本は高齢化社会を迎えていますが、フィリピンはどうですか?
A:フィリピンの平均年齢は23歳で子供も多く、人口の40%以上が20歳以下です。日本と正反対の人口構成ですね。
Q:フィリピンと日本・静岡県の懸け橋となるべく仕事していて、何を強く感じますか。
A:コミュニケーションは大事です。日本語は敬語、てにをは、漢字がむずかしいですね。意思疎通するまえに、そんなことにこだわらないでいいような方法はないでしょうか。
Q:最後にひとこと、日本・静岡県の皆さんに何を望んでいますか。
A:フィリピンは日本と同じ海洋国家です。きれいな海に囲まれ、水産業はじめ、いろんな共通点があります。
日本の皆さん、フィリピンは若い国で変化しています。 フィリピンは治安が悪い・・・といった新聞やテレビのニュースで良く聞くステレオタイプの考えだけでなく、いろんな側面があることも知って下さい。 日本は東京オリンピックなどこれからますます外国人が増えてくると思いますが、どうぞ海外からのお客様に日本人のいいおもてなしができるようになることを祈っています。
Q:ありがとうございました。
記:編集ボランティア 池田 昌弘