エンジニアから見た地方都市の暮らし

2023年05月01日

マリア アントニー ピライ さん(26歳)インド出身

今回はインドから来日したエンジニアとして働いているマリア アントニー ピライさん、26歳の若者を紹介します。

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来日の目的を教えてください。

2020年12月に藤枝に来ました。現地の大学で、日本語を勉強しました。日本に興味があったからです。もちろんエンジニアの勉強もしました。
私の育った土地は、インドのマドラス チェンライという地方都市です。東京ほどではないですが、都市機能は発達しているところです。
そこで、日本の自動車部品会社の支社があり、現地で入社試験を受けました。首尾よく採用となり、2020年4月に来日しようと思ったら、コロナで足止めを食い、12月に延期となりました。

「コロナで」とおっしゃいましたが、コロナ禍の間、マドラスのご実家ではどんな暮らしぶりでしたか?

一日中家族と過ごせて、快適でした。父も母も働いていますが、2、3か月は二人とも全く休業状態でした。満額給料は国から支給されていました。家族と毎日一緒で、食事もテレビも一緒に楽しみました。話もたくさんできました。特別大変なことはありませんでした。
コロナがなければ、娯楽といえば、若者はハイキング、外食、映画、ボーリングなどに仲間と出かけます。エベレストにも行きました。登りはしませんが、エベレストが見えるホテルに泊まったりしました。
女性は女性同士で旅行はしません。家族と行くことが多く、家族中心の楽しみ方です。老親は家族旅行している間は兄弟のうちで預かってもらいます。

今はどんな生活をなさっていますか?

会社の寮に住んでいます。個室です。寮はとても快適で、ベトナム人、タイ人、インド人など海外から来た人たちもいて、歓迎会やイベントを談話室でします。
部屋では料理もできますから、作ってほかの人におすそ分けします。
会社は5時に終わるので、その後自転車で帰り道近くのスーパーマーケットで食材を買い、部屋に帰って調理します。

日本人の特徴はどんなことでしょうか?

会社の人たちは会社内では、とても気さくでなんでも明るくしゃべってくれますし、とても親切です。でも仕事が終わると、さっさと帰ってしまい、自分の家に招いてくれません。
せっかく日本に住んでいるので、日本人の家庭はどうなっているのだろうとか、部屋はどんな風かなと気になりますが、自分とよその人と区別があるみたいです。そこが寂しい気がします。

ずっと日本に住みたいですか?

2、3年したら、ほかの国に行きたいです。たぶんそのころには結婚して子供が生まれるでしょう。英語圏に行きたいです。というのも日本語はひらがな、カタカナ、漢字を勉強しなくてはなりませんね。その労力を考えると、英語をマスターすれば、小学校から、英語で意思疎通もでき、数学、科学も英語で勉強できます。
もちろん今の会社は海外に支社があるので、会社関係で海外でも働けますが、別の会社に勤めることもできます。
将来はいろいろ考えられます。今は日本の生活を楽しんでいます。

藤枝をもっと発展するヒントがありますか?

藤枝はサッカーが盛んですから、東京からバスを利用して、サッカーの試合観戦やお祭りを楽しむような企画を考え、若者のサッカー熱を盛り上げたらよいのではないでしょうか。藤枝駅にあんなに大きな広告があるんだから、みんなで力を合わせて、知恵を絞ってみてください。

流暢な日本語でインタビューに答えてくれて驚きました。
優秀な外国の若者を地方にいてもらうのはどうしたらよいか、考えさせられました。
外国の人を家に招いたり、家族に紹介して、もっとオープンな接し方をするとよいと思います。そうすれば招いた家族が、自然と英語も身につく良い機会になるかもしれませんね

記:編集ボランティア 邑松 亨子