チン ティ ヒエンさん (ベトナム出身)

2022年08月02日

 

今回、国際結婚されたご家族を取材したい旨を袋井国際交流協会に申し込んだところ、同協会で相談員として活躍しているベトナム出身の、チン ティ ヒエンさん(以下ヒエンさん)を紹介していただきました。取材の段取りをお願いすると、「国際結婚の彼女は、ご主人(津﨑昌弘さん)のご両親にかわいがられて、とてもいい関係を築いているようですよ。ちょうど今、大分市に住む昌弘さんのご両親(津﨑敏昭さん・泉さん)がヒエンさんのお宅に滞在中だそうだから早速取材をお願いしてみましょう」とのことで、数日後にタイミングよく、3人揃ってお話を聞くことが出来ました。

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出会いから結婚まで

ヒエンさん:2008年、ベトナム・ハイフォンにある日系の子会社(工場・袋井市)で事務員として働いている時に、日本から赴任してきた昌弘さんと出会い、お付き合いが始まりました。出会って最初の頃、私は日本語が分からないし、彼はベトナム語が分からないので、本を買ってきて言葉の勉強から始めました。例えば、彼に「今日はお元気ですか?」とベトナム語でメールを送ると、30分くらい経ってから、ベトナム語でその返事が返ってくる、といった感じでした。
この間、私たちの交際を、会社の石川社長さんが温かく見守ってくれたので、とても嬉しかったです。1年後、2009年秋に結婚しました。

敏昭さん:昌弘から連絡があったのでベトナムに出向き、ヒエンさんを紹介されました。
「結婚したら日本に来ることもあるけど、それは大丈夫ですか?」と聞いたら「はい。結婚したら日本語をもっと勉強します」との返事でした。とても誠実な女性だと感じて安心しました。

泉さん:息子がベトナムに出向すると決まった時、「必ず結婚相手を世話するから」と石川社長さんから言われました。私たちは、この言葉をあまり信じてはいませんでしたが、息子がこんなに良い方と巡り会えて本当に嬉しいです。

婚約・結婚式の様子

ヒエンさん:ベトナムでは、特に結婚式のようなお祝い事は、2人の年齢を合わせて、いつが一番いいかをお坊さんに占ってもらいます。今年の11月11日が最良だと言われた時、来年辺りにと思っていた私たちは慌ててしまいました。普通は、婚約・結婚の行事を別々に行うのですが、私たちの場合、準備の期間があまりなかったので一日で両方を取り行うことにしました。

敏昭さん:婚約・結婚の一連の行事には驚きました。昌弘宅に一旦飾られた「子豚の丸焼き」や、「果物」「お菓子」「ビール・コーラ」等々11品を、男子大学生11人が、11台のタクシーに乗せてヒエンさんの実家まで運び、門の前で、女子大学生11人がその品々を受け取ります。そこから昌弘を先頭にペアで行列を組み、紙吹雪が舞い、爆竹や花火の賑やかな音のする中、石川社長や私たちも一緒に家の中に入っていって挨拶をしました。

ヒエンさん:私たち家族は、家の中で、昌弘さんたちが到着するのを待っていました。
受け取った11の品々は、神様の前に置いた机の上に並べ、手を合わせて結婚の報告をします。それが済むと庭のテントに出て、親戚・近所の人・友人たち(多分、100人以上集まっていたと思います)と飲食をしながら賑やかな時間を過ごしました。その後、写真撮影をし、昌弘さんが住んでいたホテルに移動して、6時から9時頃まで披露宴のパーティ…と、長い一日になりました。
 
3年後、ヒエンさんは、工場に戻ることになった昌弘さんと共に来日。袋井市での新生活がスタートします。次回9月号では、日本での暮らしを紹介します。

記:編集ボランティア 齊藤淑子