「はままつGlobalHouse」 武藤裕子(むとう ひろこ)さん

2022年07月01日

 

浜松市で留学生との交流活動をしている「はままつGlobalHouse」の代表 武藤裕子(むとう ひろこ)さんにインタビューをしました。

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はままつGlobalHouseの活動内容を教えてください。

留学生と街のみなさんを繋ぐことです。留学生は家と大学とバイト先の3点が基本の生活範囲ですが、せっかくならそれ以外にも行動範囲を広げて、浜松でしか出会えない人、できない経験をたくさんしてほしいと思っています。
浜松の人と留学生が混ざり合う様なきっかけを、浜松の人に出会うきっかけを作るようなことを考えて活動しています。

なぜ活動を始められたのでしょうか。

中学校の教員をしていたのですが、世界の人とつながることが好きな自分と、教員としての義務・責任を全うしなければならない自分との間で葛藤があり、思うように仕事ができないもどかしさがありました。教員3年目の時に静岡県教育委員会主催の日中青年代表交流に参加したのですが、そこで国を越えて人と人がつながることの楽しさと喜びを改めて感じ、私はそういう世界で生きていきたいと思いました。
浜松で生活をしていて浜松には多くの留学生がいることに気付いたのです。そんな彼らには、日本の生活で困っていることがあるのではないか、困りごとがあるならこの人たちをサポートすることができればいいのでは、とアイデアが生まれ、さまざまな人に話をしたら仲間が集まってきて「一緒に何か面白いことをしよう」となったのです。
活動を始めた頃は、「留学生のため」というスタンスでしたが、留学生は思っていたよりも困ってはいませんでした。彼らは、助ける・助けられるという関係よりも、むしろ同じ立場で、一緒に活動をする方がうまくいくのではないか、と気づきました。
今は留学生と一緒に困っている人を助けるとか、一緒に楽しいことをするということに方向転換しています。

留学生にどうなってほしいなどの想いはありますか。

浜松がいい所だなと思ってほしい、好きになってほしいです。浜松で就職して一緒に街を盛り上げてくれたらいいですが、大都市や自分の国へ行って仕事をしてしまうことが多いです。せっかくこの活動を通じて街の人と繋がりができたのですから、浜松に残ってもらえたらすごく嬉しいですし残らずとも浜松が第二の故郷になって、また帰ってこられる場所になってほしいなという想いがあります。

活動において上手くいかなかったお話があればお願いします。

一つ目として「人との繋がり」がなかなかできないということがあります。大学の先生やサークルのリーダーなど、日本人で「核になる人」と出会い、その人が私たちの活動を広めてくれたらと思っていますが、そこが難しいと思っています。最近は留学生が口コミで活動を広げてくれてはいます。
二つ目はコロナの影響です。活動の1番の目玉として『子ども食堂』に留学生が参加し交流するというものがあります。でも、コロナで子ども食堂が閉まってしまい活動できていません。この活動は留学生に大変人気で、留学生が日本語を話せなくても、肌の色が違っても、子どもにとっては関係なく、気付くと仲良くなっています。そこに子どもたちの無限の可能性を感じています。
最後はアルバイトの相談です。能力の高い彼らを働かせてあげられる場所を紹介できればいいのですが、それができません。仕事先での日本語の問題もあります。受け入れ側で日本語が出来ていないと受け入れられないという事が多くて、もう少し留学生が働きやすい環境が社会に浸透していってほしいと思っています。

記:(公財)静岡県国際交流協会 インターンシップ 小嶋 庸介