栗山さやかさん

2021年12月01日

 

栗山さやかさん(以下、さやかさん)が、アフリカ・モザンビーク共和国内で、病気や貧困に苦しむ子供たちの学習支援や女性の自立を目指す支援活動団体「アシャンテママ」を立ち上げた様子を紹介したのは2015年3月号でした。

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さやかさんは御前崎市の出身で、高校までを地元で過ごし、東京の短大卒業後は都内で働いていました。24歳の時、同い年の親友が乳がんで亡くなったことが、さやかさんの人生の大きな転機となったようです。深い悲しみと無力感の中、自らの人生を見つめ直そうと、たった一人で海外に出ていきました。
アジア・中東などの国々を旅しながら、施設や病院でボランティアを体験し、モザンビークに入りました。最初は、子どもたちの置かれた生活環境が日本とあまりに違うことに驚き戸惑いましたが、現地の人達の優しく温かい気持ちに接する内にこの地で暮らすことの意義を見つけていったようです。
モザンビークで支援活動を始めてから11年。この度、さやかさんの出身地・御前崎市の市立図書館で、これまでの歩み・活動の様子を伝える展示「11年の軌跡」が開催されたので会場を訪ねてきました。

会場には、この10年余り、現地スタッフとの信頼関係を深めながら着実に支援活動を続けてきた様子を伝える写真が、年代順にパネル展示されていました。
写真に添えられている、その時々のさやかさんの思いを綴った文章からは、現地の人々がおかれた厳しい生活環境や、学ぶ場所や機会が増えたことで、子どもたちが生き生きとしたに表情に変わっていく様子が伝わってきました。

「朝目が覚めて、鉄格子のない窓から外を見るのが幸せです」

これは、さやかさんが日本に里帰りした時の言葉です。
モザンビークでは、治安の問題上、建物の窓に鉄格子がはめられている中での生活でした。当時この環境の中からさやかさんの支援活動がスタートしたと思うと、その情熱・行動力・精神力の強さに驚くばかりです。
飢えや感染症で命を落としてしまう子供たちを減らしたい。将来を見据えて子供たちに教育を受ける機会(場所)を調え、小学校・中学校卒業を目指したい。
その強い思いが周りを動かし、現地スタッフや出身地の人々の支援によって実現し、成果をあげてきています。戸籍すら無かった子どもたちの戸籍を取得することから始め、学ぶ場所(勉強小屋)を建て、鉛筆やノートを使って勉強が出来るようになったことで、学校に通える子どもたちの数は格段に増えました。

順調に支援活動の成果を上げてきていましたが、国内の政情不安定によって治安が悪化し活動にも制約や支障が出てきたため、隣国マラウイに生活の拠点を移しました。ここでも勉強小屋を建てて、子どもたちの勉強を支援し、厳しい環境に置かれた人たちの暮らしの支援にも力を注いできました。
 その後、さやかさんは結婚・出産を経て、現在はご主人の仕事の関係でドイツに住んでいます。昨年からのコロナウイルス感染拡大の影響等で、モザンビークに入国出来なくなっているので、支援活動は全てリモートで、現地スタッフと毎日やりとりしている状況です。現地の人たちの笑顔の写真からは、以前のように、さやかさんと一緒に過ごす日々を待ち望んでいるかのような印象を受けました。

見終わった後、会場に来ていた人に感想を聞きました。

「海外に行っても、各地を旅して終わりの人が多いのに、その国に長く留まって、ここまで大きな支援活動をしているその精神がすごい。ただただびっくりです」
「人間、こういう思想がベースにあれば戦争なんか起きないだろうに。人道的・人間愛的想いを彼女はどこから学び取ったのだろうか。こういう想いを伝えることが出来る人は幸せだね。感心することばかりだった」

 これ程に、見た人に深い感動を与えた今回の展示。
これからも、さやかさんの支援活動に関心を寄せていこうと思います。

さやかさん応援募金の振込先

銀行名:ゆうちょ銀行
口座名:さやかさん応援募金(サヤカサンオウエンボキン)
店名:二三八(ニサンハチ)
店番:238
預金種目:普通預金
番号:4566137

<ゆうちょ銀行から>
記号:12330
番号:45661371

記:編集ボランティア 齊藤淑子