コロナで仕事がなくなり窮乏する外国人労働者

2021年07月01日

 

長引くコロナ禍で、生活が苦しい人々が増加している報道が毎日のように続きます。外国人労働者もまた企業の業績悪化で、時短、雇止めとなり、生活困窮に陥る人が続出していて、食べ物にも事欠く程のひどい実情は一般の日本人には眼に見えてきません。天使の聖母宣教修道女会では、カトリック教会静清地区移住移動者の会(COMMUNITAS)を運営し、県内のそのような外国人たちに支援活動を行っています。ゴンザレス・アナマリア シスターにお話を伺いました。
シスターは1992年5月にペルーから来静し、阪神大震災では通訳や支援活動に携わり、北九州の5年を経たのちに静岡に戻り、静岡教会が所属する横浜教区での要職を担っています。

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アナマリア シスターの声をお聞きください

食べる物にさえ困っている外国人が大勢います

「首になったり、労働時間を減らされたりして本当に生活が大変ですよ。給料は半分以下に減り、国への送金はとてもできないし、預金もなくなって生活は不安定。職業を失うと、保険料が払えないので、保険がない、病院の費用が払えないで借金、という悪循環です。母子家庭や子供達のいる場合はもっと大変、その日暮らしの人たちもいてあまりにも悲惨な状況です。
フードバンクに一緒に行くことがありましたが、必要な書類等が整わないと渡してもらえませんでした。それに本人が取りに行かなくてはなりません。車がない、日本語ができない、情報を知らないなどの理由から助けを求めることができなかったり、支援物資を取りに行くのをあきらめたりする外国人も多くいます。フードバンクのシステムがあっても、本当に困っている人が直接利用できないこともあるようです。
生活保護を求めて市役所に行っても、言葉が十分にできなかったり、今はコロナ禍で申請者が多いためになかなか十分な対応は望めません。」

ただ祈るだけでなく、手を差し伸べ、心に寄り添って

「私達はただ祈っているだけではなく、困っている外国人に食べるものをたっぷりはあげられないが、せめて何とか生活に耐えられるようにしてあげることが、するべきことではないかと思い、支援活動をしています。お米やパスタ麺などの食料品や、トイレットペーパーなどの日用品の物資を集め、ボランティアの人に手伝ってもらって、3ヶ月毎に外国人や時には日本人に配付しています。遠いから取りに来れない人や配る時間に来れない人のためには支援者と共に車で一軒一軒回って届けます。時には、藤枝市、島田市、御前崎市や吉田町まで行き、物資を届けると共に生活相談に乗ったりしています。」

お腹いっぱいでなくても、せめて飢えに苦しむことのないように

「一般の日本人は、外国人がそんなに困っているとは知らないようです。支援を求めている外国人は、決して怠けているわけではありません。身近に、苦しんでいる人、飢え死にしてしまいそうな人などがいることを知って欲しいです。1日1日をなんとか暮らしている人には、少しだけ支えになるだけでも違います。コロナ禍での生活は厳しくて、日本人もどこでも誰でも苦しんでいるでしょう。ですから自分の分かち合える範囲で、どうぞご支援くださることをお願いしたいと思います。」
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ご協力いただける方は下記へご連絡の上、物資をご提供ください。事前に下記までご連絡下さい。
問い合わせ先 Srアナマリア 090-6808-8614
届け先 ◆天使の聖母修道院 〒422-8076静岡県静岡市駿河区八幡4-9-1
    ◆カトリック静岡教会 〒420-0854静岡市葵区城内町1-5


取材が済み、聖母マリア像の前を通り過ぎる時、わが身の食物に満たされた生活を思い、わずかでも協力したいという気持ちになりました。

記:編集ボランティア 川島康子