フンさんはベトナム出身で現在静岡生活10年になります。

2020年12月01日

ベトナム出身 グエン・ヒュー・フンさん

写真上段:グエン・ヒュー・フンさん
写真下段左:久能の石垣いちごをほおばる
写真下段右:妹の友人たちを交え熱海で

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初めて静岡に来た時の印象と今とでは、どんなふうに変わってきましたか?

はじめは、日本人とうちとけるのに時間がかかりました。
日本人の外国人に対するバリアーかなと感じていました。10年経ってみて、やはり私の日本語が十分でなかったことが大きな理由の一つだということが少しずつわかってきました。
その国のことばをしっかり話すということはほんとうに大事なことですね。

今はどんな仕事をしていますか?

野菜の加工工場の現場で最終品質チェック、梱包・出荷の業務です。
仲間の人たちといっしょにやっていますが、皆さんとても親切ですし、仕事の上で困ることは あまりありません。
私が外国人だから親切なのかなとはじめは思いましたが、そうではなく職場の人たちみんなが信頼して働いていることがわかり、やりがいもあります。
日本は少しルールが厳しすぎるところがあるのではと感じたことはありましたが、仕事をしていくうちに、その大切さがわかってきました。
対人関係でも日本人は少し遠慮するひとが多いと感じたこともありましたが、それは他人に迷惑をかけたくないからだということがわかってきました。

新型コロナのためにどんな影響を受けていますか?

私は妻と職場に近いところで生活していたのですが、実家で子供を産むため、妻だけ昨年の夏ベトナムに帰りました。子供をつれて静岡に戻る予定でしたが、コロナの影響で帰ってこれなくなりました。今は早く帰ってこれるように願っています。妻は静岡に住むことを望んでいます。

日本の“菅総理”が外国訪問の最初の国としてベトナムを選びましたね。

これからもますます良い関係になっていってくれればと思います。特に留学生の交流がもっと深まるといいと思います。私の妹も日本で現在大学に通っていますが、卒業後は日本で就職したいと思っています。

ベトナムにはたくさんの日本企業が進出していますね。

私の故郷の近くにも日本企業が進出しています。私自身日本でのビジネスの経験をもっと積んで、将来はベトナムで、日本企業で働ければいいなと考えています。

現在ベトナムにいる奥さんや両親とのコミュニケーションはどうしていますか?

スマホとパソコンでいつも交信できますので困りません。インターネットはいつも使っていますし、わからないことはいつでも調べられますのでとても便利です。
日本の特に年配者で、スマホやパソコン操作で不自由を感じている人が多いと聞いていますが、私たちは日常的に使っているので、困ることもなく、時々日本の年配者のお手伝いをすることもあります。

デジタルトランスフォーメーションということが叫ばれていますね。

ベトナムは若い人が多い国です。成長しているときからパソコンやスマホを使っていますので、それらが無くては困るのですが使うことに困ることはありません。

フンさんはどんな趣味がありますか、また日本のどんなところへ行ってみたいですか?

昨年、車を買いました。中古車ですが良く走ります。静岡に住んでいる妹のところにはしばしば行きますが、富士五湖や熱海そのほか県内の観光地にはたくさん行きました。京都にも車で出かけたいと思っています。

静岡はどんな点がいいと思いますか。

環境がいいです。空気や水がきれいです。緑もたくさんあります。静岡だけというよりも、日本が住み易いところだと思います。私の父母も昨年ベトナムから静岡にきてくれました。静岡は食べ物も安全で安心して食べられますので両親も私が静岡にいることに安心してベトナムに帰りました。

フンさんが来てから10年経ちますが、日本は、静岡はどんなところで変わったと思いますか?

日本が変わったというところと、私が日本社会の中で変わっていったことの両方だと思います。
日本は、外国人が住んでいることが当たり前になり、日本社会が外国人を特別に意識することなく受け入れることができるようになったのではないでしょうか。私も、特別ベトナム人を意識しないで生活できるようになりました。
これからますますデジタル化が進み、発展していくので、日本人、外国人の距離はさらに縮まっていくのではないかと思います。デジタル化により、日本人と私たちのこころの距離も短くなったんだと思います。


ありがとうございました。これからの静岡での生活をますますエンジョイし、ベトナムとの交流が大いに発展することを期待しております。

記:編集ボランティア 池田 昌弘