ボランティアをしつつ趣味を楽しむ毎日です

2020年05月01日

浜松市在住 瀬崎ジュリアさん(ブラジル出身)

浜松市国際交流協会(HICE)の相談員として活躍されていた20数年前、SIR情報誌掲載のため初めての取材を受けました。世の中は国際交流から共生社会へと進み、在住ブラジル人のニーズも変わってきています。二人の息子さんも独立し、現在は日本人のご主人とお姑さんの3人暮らしという瀬崎ジュリアさんに当時、そして今を語っていただきました。

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現在、通訳のお仕事をされているそうですね?

警察での通訳をしています。交通違反、窃盗、薬物、障害などで捕まったブラジル人などの通訳です。私が来日した頃はブラジル人もまだ少なくて、道を歩いていてポルトガル語が聞こえると思わずそちらの方向に足が向いてしまいました。でも今は日本に長く住んでいるブラジル人が増えたため日本社会のルールもわかってきて事件も少なくなりました。今、悪いことをする人たちって日本語ができない人が多いんです。だから日本のルールもわからず悪いことをします。何か助けてあげられたらと思うし、そういう人たちの話し相手にもなってあげたいと思っています。生活相談などの通訳で法テラスや家庭裁判所に行くこともあります。

何か他にもボランティアをしているのですか?

私はお料理を作るのが大好きです。20数年前の情報誌には私の自慢料理として『かぼちゃのエビクリーム詰め』が紹介されました。1989年、中部ガス主催の料理コンテストで優勝した時のメニューです。いつもカレーはお鍋いっぱい作って知り合いに分けてあげます。「カレーを作ったよ」と連絡するとお鍋をもって集まってくるんです。ぜひ、皆さんにも食べていただきたいです。また、私の永年のお友達にカトリック教会の神父さんがいました。今はブラジルに戻ってしまいましたが、その頃は教会のボランティアスタッフ20~30人のためによくお昼ご飯を作ってあげたものです。みんな忙しかったのでとても喜んでくれました。今までいろいろなボランティアをしてきて、人とのお付き合いはとても大切だとつくづく思います。

お仕事がない時はどんなことをして過ごしていますか?

私のもう一つの趣味は絵を描くことです。今は通訳の仕事も減ったのでゆっくり絵を描く時間も増えました。絵を描いているととてもゆったりした時間が持てるしストレスがなくなります。2001年から3年間のアメリカ駐在中に、先生に就いて絵を描くことを学びました。「あなたの彩色のうまさはお料理の味付け・彩り・盛り付けのうまさからきているのかも」と褒めていただき、とてもうれしかったし大きな自信につながりました。


取材の日、ジュリアさんは最近好評という手作りのお菓子を用意して出迎えてくれました。シソの時期にはシソジュース、シソ巻きが食卓を飾ります。ブラジルでご主人と知り合い来日して40年。「今は日本が故郷です」と話してくれました。

記:編集ボランティア 高木 睦子