ラメシュ・バンダリさん ネパール出身 35歳

2019年10月24日

ラメシュ・バンダリさん

5月時点で、静岡市には765人のネパール人が住んでいます。コンビニで働いている、ラメシュさんもその一人、奥さんと4歳になる娘さんがいます。「日本の社会でうまくやっているのは、なぜですか?」の問いに「日本人も外国人も含めて、皆様のおかげです。」と答え、インタビューの間に、時たま見せる人なつこい笑みからは人柄のよさ、育ちのよさが感じられました。

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日本語の必要性を感じて

カトマンズの大学時代、父と叔父が経営していた不動産会社を手伝って働いていました。客層がよく、日本から来た大使館関係者、JICAの人たち、ビジネスマンなどがいて、その上周囲には日本人観光客もかなりいましたので、日本人と接する機会が多く、日本語の必要性を強く感じました。それでネパールにある日本語学校に半年通い、その後2009年4月から「日本教育センター」に2年間語学留学しました。センター卒業後、2011年4月、まだ自分の日本語が中途半端なような気がして、「プロスペㇻ専門学校」に入学、少しの貯金と、アルバイト、不足分は仕送りでさらに2年間勉強を続けました。

日本で頑張ってみよう

日本に来た当時は、語学研修が済み次第母国に帰ろうと思っていましたが、年取った父の不動産業が以前ほどには勢いがなかったので、帰国する気が徐々に薄れました。それに反比例するように、日本で頑張ってみようという気が次第に強くなっていきました。日本社会に慣れてきて、日本の素晴らしさがわかりますので、語学だけではなくさらに多方面でもっと日本を学びたいと思ったのです。それで、学んだ知識から企業のヒントが得られないかと、今は、コンビニで働きながら、模索しています。

楽しく働いています

コンビニでの仕事は、お客とコミュニケーションが取れるので面白いですよ。接客業は自分に合っていて楽しいし、接客のスキルをアップするのに役立ちます。ネパールの接客は雑で不愛想、丁寧に接する日本の接客法はすごく勉強になりました。
オーナーと奥さんがいい方で働きやすい職場です。人間関係に悩み、半年や1年でやめる人が結構いますが、自分は6年間同じところにずっと働いているので、お客さんも顔馴染みになり、親しく話し掛けてくれます。最近は夜の勤務ですが、職場環境は良好で、居心地がいいと感じています。

自分自ら動くことを学びました

自分の体を動かしてまじめに頑張るということを、日本で学びました。日本では社長や地位のある人でも、必要と気づけば率先してお掃除でも何でもします。工員と同じ服を着て自ら現場に立つこともあります。ネパールでは家事から事務処理から、すぐ人を雇ってやらせようとします。将来金持ちになったとしても、出来るだけ自分でやろうと思っています。

留学生をもっと活用してください

人手や人材が不足しているなら、現在日本国内にいる留学生をもっと使った方がいいと思う。多くの留学生が卒業後、就職口が見つからなくて帰国してしまうのが残念で、もったいない。彼らは、新しく入ってくる外国人と比べると、日本社会に慣れていて、日本語のレベルも違いますから、企業に溶け込みやすく順応しやすいし、即戦力になるのではないでしょうか。留学生がもっと就職しやすくなるといいのですが。

将来の夢

ネパールと日本のフレンドシップに少しでも役立つことが仕事に結び付けられたらいいなと思います。ネパールを代表するようなものを扱った店を開いて、新たに来日したネパール人がそこの店に行けば日本社会、文化、伝統のことがすべて分かる、また日本人にはネパールのことがすべて分かるといったお店です。貧しい人、親のいない人など恵まれない人を支援するソーシャルワーカーの仕事もしたいので、その分野でも進んでいる日本では、学ぶことが多いです。

記:編集ボランティア 川島 康子