孫 江明さん

2018年06月29日

中国浙江省出身の孫 江明さん(28歳 中国浙江省紹興市出身)

ほとんど完璧といえる日本語と頭の回転のよさを感じさせる口調、若さと可能性に満ちたオーラ。そんな印象を受ける孫さんをインタビューしました。

Q:どうして静岡に住むようになったのですか?
A:浙江省の杭州市にある大学で、日本語を専攻していました。先生は、静岡県職員を退職した女性の方で、その方に2年間日本語を教わりました。静岡に縁があったのですね。
2010年、大学4年の時、静岡県と浙江省の友好交流の留学生交換プログラムで10月から12月までの3ヶ月間静岡県立大学に短期留学しました。きめ細やかな配慮をしてもらい、様々なイベントに参加できて本当に楽しく有意義な体験をしました。勉強だけでなく、静岡県の社会を見ることができ、静岡県全体を知り、静岡のよさを感じ取ることができたので3ヶ月では物足りないと思い、自国の大学を卒業後、県立大学の大学院に入りました。専攻は国際関係学でしたが、指導教授との交流から、社会問題を意識するようになり、中国も遠からず迎える少子高齢化や日本の介護の知識を広げ、認知症について修士論文を書きました。
大学にいる間、日中友好協会を通じて介護やその他テーマを持って訪日した中国の使節団の通訳の要請があり、ボランティアでお手伝いしました。中国から受け入れるインバウンドとして、日本の企業訪問、商談、学校同士の交流などをコーディネートすることに興味を持ち、SBSプロモーションに入社しました。

日本で働いて思うこと

Q:一般社団法人日中交流センターについてお話下さい。
A:2016年8月に退社して、日本人のパートナーと共に、一般社団法人日中交流センターを立ち上げ、現在理事・事務局長として勤めています。ビザは就労ビザを得ています。
業務内容は、企業訪問や工場見学、保育・教育・介護視察、スポーツを通しての交流を希望する関係者などの要望を聞き、それに沿ってコーディネートとアドバイスをし、現地を案内する仕事です。仕事は大幅に増加し、毎日大忙しです。
また、見学を受入れた日本側の企業にも利益があるように、例えば、労働力が足りない時は人を紹介したり、物が売れない時は中国市場を開拓するお手伝いをしたりしています。

Q:働いている中で困ること戸惑うことはありますか?
A:人に恵まれて運が良かったと思います。周りになじめないことはなかったし、ストレスもありません。今の時代でビジネスはスマホでほとんど連絡できますが、中国からは日本とは違って、土・日でもかまわずに仕事が飛び込んできます。2日待たなくてはならず、すぐ答えられなくて困ります。仕事に関するスピード感が違うことに戸惑っています。

静岡と将来について思うこと

Q:静岡のよさと、こうなったらよいと思うことは?
A:気候が温暖、産業経済環境もいい。ただ静岡の人はあまりアピールしないですね。静岡空港の外国人利用者は非常に多いのに静岡に泊まってくれる人があまり多くありません。静岡だけでしかできない体験、例えばお茶をテーマにした、茶工場での作業体験、製造工程の見学、スウィーツを作ることや抹茶を勉強したりすることを手配して、アピールしてゆくのはどうでしょうか。「ものづくり」産業をめぐる静岡県ならではの観光促進に関してもいろいろ考えられるのではありませんか。

Q:将来はどうしますか?
A:お金を儲けるのが第一義ではありません。中国でもいずれは、環境、経済、教育、介護などいろいろな社会問題が生じてくると思うので、日本にいて日中両方の社会問題を解決する方法を考えていき、力を尽くしていきたいと思っています。問題解決につながるビジネスを展開していけたらと願っています。ゆくゆくは、中国と日本の両方にオフィスを持ちたいですね。

記:編集ボランティア 川島 康子

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