「大事なコミュニケーションと優しい上司」

2017年12月01日

安定した職を求める定住外国人

今回は、不自由な日本語能力を乗り越えて、難しい業務を日本人以上にこなし、静岡県企業の貴重な人材となっている日系外国人の活躍を報告します。
2012年12月に始まった景気拡大は、高度成長時代の「いざなぎ景気」を超え戦後2番目の長さとなったそうですが、静岡県企業は空前の人手不足に陥り苦慮しています。しかし、そんな雇用状況の中で、静岡県に長く住み一生懸命働いてきた定住外国人が就職に苦労しています。いままで派遣労働者として元気に働き、結婚もし、家庭も持ちましたが、特段の日本語能力を必要としない組立工等として働き続けてきたため、高齢となった今、安定した職に就こうと考えても不自由な日本語が障害となり、望む職に就くことが難しいのです。

不自由な日本語は障害?

こんな状況の中で、倉庫業を営む鈴与カーゴサービスで正社員として元気に働く座間さんを訪ね、お話を伺いました。永住者であるブラジル人座間さんの仕事は、貨物の受け入れ、収納、出荷など、貨物の管理です。130坪、460㎡のスペースで、50品目、3000個の製品を扱い、一日の大半をフォークリフトに乗り作業しているそうです。一日数回、運び込まれる数十種類の製品は形状も重さも異なります。絶対に傷つけてはならないこの貨物を安全に効率よく保管するだけでなく、数カ月先のまちまちな出荷日を睨んでの絶え間のない配置作業は、細心の注意と高度な判断が必要な作業です。
座間さんは言います。「会話は何とかなりますが漢字が少ししか分かりません。2016年12月に今の仕事を始めました。その時は貨物の出荷のピークでみんな忙しかったけど、上司はやさしい日本語で作業を教えてくれた。作業のマニュアルもあったけど、現場で、口頭で教えてもらったことが一番役に立った。忙しかったから教えてもらった時間は長くはなかったけど、後は自分でよく考えて作業した。そんなに難しくはなかったよ。」と初めての職場の体験を思い出してくれました。

大事なコミュニケーションと優しい上司

優しく作業を教えてくれた上司は怒ると怖そうな偉丈夫でしたが、「確かに読み書きは問題があります。そして初めこそ、安全作業に難がありました。しかし、指摘には心を傾けて聞いてくれたし、すぐ理解してくれました。少しでもわからないことがあると何でも聞いてくれて、本人が作業を理解しようとする意欲に何より感心しました。今では同僚です。」と座間さんを評価します。
現場に重心がある倉庫業だからでしょうか、マニュアルより現場での心の通うコミュニケーションが重要である気がします。また、やさしい日本語を駆使して理解を深めさせようと心を砕く上司も座間さんの活躍を支えていました。

記:杉山 滋敏

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