「カンボジアシルク」のお店を開く望月颯太さん

2016年03月30日

「カンボジアシルク」の素晴らしさを世界の人に知ってもらいたい!

カンボジアでは、昔から良質なシルクを使った伝統工芸品が作られていましたが、一時期の政情不安でそれらの技術が途絶えかけていました。カンボジア出身の望月颯太さん(4年前に日本国籍取得)は、祖国の伝統あるカンボジアシルクを復活させたい、その素晴しさを日本人にも知ってもらいたいと、新しいシルク製品の製作・販売を思い立ち、来日して10年目の今年ついにその夢を実現させました。富士市内に開店したばかりのお店「ソウタ カンボジア シルク」を訪ね、これ迄の道のりや、カンボジアシルクに懸ける思い、カンボジアという国について語っていただきました。

もともと日本語が好きで、カンボジアでは日本人の先生から日本語を習い、日本語初級レベルの教師もしていました。富士市出身の日本人女性と出会って結婚し、長女が生まれてから来日。妻の実家がある富士市内に住んで、工場や接客関係の職場で働いてきました。
その内に、このままサラリーマン生活を続けるよりも、ここ日本で何かに挑戦してみたい、自分をもっと成長させたい、起業したいという気持ちが湧いて来ました。

ある年、カンボジアに里帰りした時のことです。妻がシルク店で嬉しそうに買いものをしている姿を見て、これだ!と思いました。もともと自分もおしゃれやファッションに関心があり、サービス業が好きで、お客様に喜んでもらえることに幸せを感じていたので、日本人にカンボジアの伝統工芸であるシルクを知ってもらうための店を開こうと考えたのです。
3年ぐらいかけてノウハウを勉強し、色々な人からアドバイスをもらい、妻にも納得してもらい、やっと実現させることが出来ました。

商品は全て自分がデザインし、カンボジアの工房で職人たちに作ってもらっています。
きっちりと、正確に仕事をしてもらうためには的確な指導・指示が欠かせません。何か問題が起きた時は、責めるのではなく何故そうなったかを本人自身に考えさせます。一人一人がその原因に気づいて直していく事が全体のレベル向上につながると思うからです。
職人達には、「この仕事にプライドを持っていい製品を作って下さい」と伝えています。

カンボジア国民はある時期、厳しい状況に置かれたことがありましたが、今は安定した生活を送ることが出来るようになりました。国民の平均年齢は25歳くらい。若い世代がこれからもっといい国を作っていかないといけないということです。
カンボジアでは働く環境が男女同等ですから、女性が産休を取っても復帰する時は元のポジションに戻れます。カンボジアの女性は働きやすい環境にあると言えるでしょう。
 
日本では今、働く環境について色々と問題が出てきているようですが、若者にやる気を出させる働きやすい環境を作るべきだし、女性の活躍の場を与えていくべきだと思います。

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記:編集ボランティア  齊藤 淑子