リチャード・スウィートさん 静岡市在住(30歳・カリフォルニア出身)

2022年06月24日

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日本、静岡、お茶

ALTの期間の5年が過ぎたのち、財団法人するが企画観光局に就職しました。現在、「お茶の多様性」、「日本一深い駿河湾の恵みとそれを享受する地域の暮らし」、「今川・徳川からつづく、文化・伝統」という3つのテーマを中心としてプロモーション・宣伝を行いながら、地元の人と観光が持続的に共存できるような環境を作るように努力しています。

結婚しても日本に住みます

学校の先生をしていらっしゃる日本人の奥さんとは友達の紹介で知り合いました。先生という職業柄、いろいろな人や事柄をなんでも受入れていく柔軟性を持っているといいます。
国際結婚については、リチャードさんはこう思います。
「外国語を勉強している人は、国際結婚の可能性は視野にあり、言葉の壁、文化の壁はあるという認識を持って生活しています。一緒に住み始めて、外国人というより、個人としての違いに、どうやって噛み合えるのかという意識の方が強いです。異文化だから仕方がないと、言い訳に使いがちですが、それは逃げることでそこで止まってしまって発展がない。二人の文化をすり合わせて、違いの中から新しい何かを築いて、成長しながら心地良く生活できるのが何よりで、そこのバランスが、国際結婚の場合はたぶん一番重要ではないでしょうか。」

どうして口をきいてくれないの?

よく分かりあっているようでも、ちょっとした習慣の違いで二人の気持ちにずれが生じたことがあります。お付き合いを始めて1年半たったころ、楽しく過ごしたデートの帰りのバスの中、彼女がとても機嫌が悪くなって口をきいてくれません。偶然座った後部座席で、2組のラブラブカップルに挟まれながら、二人の間には無言で険悪な雰囲気さえ漂っていました。仕方ないので隣にいるのに彼女にラインで理由を聞くと、前回も今回も期待していたのに、プロポーズをしてくれないからだという事でした。結婚を決めてから両親との顔合わせというのが一般的な順序である日本とは違い、アメリカではお付き合いを始めるとすぐ両親に紹介するのが習慣です。真剣に結婚を考えているのになぜ両親に紹介してくれないのかと、悩みながらプロポーズのタイミングを計りかねていたと、その理由を返信したとたん、「リチャード、ごめんなさい!」一瞬にして二人の間の険しい空気が一変しました。その後間もなく、彼女の両親に紹介されました。

幸せならいいよ

彼女の両親は、できれば二人が日本に住み、彼女に仕事を続けさせてやってほしいと願っていました。奥さんが、アメリカで仕事に就くのは容易ではないでしょうし、日常を快適に苦労せずに生活して欲しいという親の思いでしょう。アメリカの両親は日本人女性との結婚もありうるとすでに予想していたようで、リチャードさんが幸せならそれでいいと認めてくれました。奥さんも電話を通してできるだけコミュニケーションを取ろうと心掛けたので、両親も安心したようです。今、彼女の両親は日本に住むことをとても感謝してくれているそうです。

知的で爽やかな印象のリチャードさんはまた、お茶に関しての知識も豊富です。インタビューに答えて下さっている間中、静岡とお茶に対する温かい気持ちが伝わってきました。

記:編集ボランティア 川島康子