インドネシア・ジャワ島中部の大都市スマラン出身の アルヴィンさんは静岡生活5年になります。

2021年07月01日

インドネシア出身 静岡大学 アルヴィンさん

静岡在住5年、インドネシア出身の留学生アルヴィンさんにインタビューをしました。学校生活、静岡での生活のことなど色々なことを伺うことができました。

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Q:静岡に来るきっかけは何だったんですか?

A:静岡大学はインドネシアで留学生の募集をしていました。日本での留学、生活に興味をもっていたので半年間日本語を勉強し、チャレンジしてみました。
もちろん日本語を話せることは留学の必須条件ですので、まず静岡の日本語学校に入り、そこで日常の会話をそれほど不自由なく、話せるように2年間勉強しました。
その後、本来の目的であった静岡大学に、入学しました。

Q:静岡大学では、何を勉強しておりますか?

A:人文社会学科を専攻しています。将来の展望として、多くのインドネシア留学生が静岡で就職できるようにまた希望する職種に就けるよう、サポートできたらと思っています。

Q:静岡県にはどれくらいのインドネシア人が住んでおりますか?

A: 留学生だけで170人ほどいます。留学生以外の人を含めると250名くらいになるでしょうか。インドネシア人だけでなく、近年、ベトナム人、ミャンマー人、ネパール人などの留学生も増えました。

Q:留学生が増えたということはいいことですが、このコロナ禍にあって留学生活面、経済面でいろいろと大変なことが多くあると思いますが・・・・

A:私は、生活面では自国の両親からの仕送りのほか、アルバイト、奨学金などでなんとかやっています。幸いアルバイトの仕事がありますので、生活は成り立っています。
    
    留学生はみんな大変だと思います。居酒屋でアルバイトしていた子は突然辞めさせられたという話も聞きました。また、オンラインの授業が1年半も続いているので、先生とは1度しかお会いしたことがなく、授業の目標をきちんと理解しているのかどうか悩んだり、同級生とも会うことができず、友達を作ることができなかったり、不安に思っています。
オンラインでの操作や自習等には慣れたことや、移動時間などがなく、時間に余裕が出来、ワークライフバランスが取れているなど、良いこともあるかと思います。

Q: これまでどんなアルバイトを経験されましたか?

A: コンビニでの仕事、工場での運搬作業、通訳の仕事、留学生の実態調査などの仕事を経験し、日本人との接点を通して日本語の上達もでき、日本文化に触れることもできました。

Q:何が一番困りましたか?

A:やはり微妙なコミュニケーションの問題です。本当に日本語を理解するのにはまだまだ勉強や経験が必要だと思います。
日本では英語をあまり話す機会はありませんが、インドネシアでは英語を小学校1年生から学んでいますので日本に比べたら英語を話せる人が多くいると思います。
日本語でのコミュニケーションはやはり共通の言語でないということで制約があります。

Q:静岡のどんなところが魅力ですか?

A:人間が暖かいということです。
静岡では、外国人を暖かく受け入れてくれるというところです。東京や、大阪は都会過ぎて人とのコンタクトが薄くなりがちですが、静岡は、都会過ぎず、かといって田舎ではないので、都会と田舎の両方の良い面があります。

A: 漁業や農業にまだまだ発展の余地があると思います。
  清水や焼津の港から陸揚げされる魚は加工してインドネシアでも食べられるようにしたいですし、逆にインドネシアで撮れた魚をもっともっと日本で食べてほしいと思います。農産物でも同じです。
富士山をはじめ、観光地が多くあり、食べ物、世界的に名のある企業の存在、温暖な気候などもとても魅力のあるところです。
  日本の企業、静岡県に工場のある企業はインドネシアにもたくさんあります。
私たちは、大学を卒業したら、ぜひ静岡に就職したいです。インドネシアと静岡の両方に工場のあるところに就職できれば、仮に転勤になっても、インドネシアか静岡に住むことができて便利です。

Q:住みにくい点はなんでしょうか?

A: ハラール食品や食堂が少ないこと、モスクが少ないこと、一日5回のお祈りの場所が少ないことなどですが、これらは絶対的な要件ではありません。工夫次第で解決できます。

Q: 静岡の人、日本の人にどんなことを望みますか?

A:皆さん一度海外での生活をしてみたらどうでしょうか。留学でも、長期の滞在でもいいのです。
それによって、もっともっと幅広い文化や多様性を学べると思います。
これから、多様性を受け入れていくことが求められていくのではないでしょうか。

Q:現在インドネシアにいるご家族とのコミュニケーションはどうしておりますか?

A: ほとんどスマホでこと足ります。私の場合、ラインを使ってインドネシアの両親や友人とは無料の電話やメッセージの送受信ができます。アパートではWiFi が利用できますので、毎月の通信費は大きな負担にはなりません。
インターネットはいつも使っていますし、わからないことはいつでも調べられますのでとても
便利です。

Q:ありがとうございました。これからの静岡での生活をますますエンジョイし、インドネシアとの交流が大いに発展し、静岡県に住む人が増えていくことを期待しております。

記:編集ボランティア 池田昌弘