エドウィン・ベガさん(グアテマラ共和国・アンティグア出身)

2016年11月30日

グアテマラ出身のエドウィン・ベガさんをインタビュー

国際関係に興味のある人でも、グアテマラという国の名前は知っていても正確な場所は分からないというのが大半ではないでしょうか。グアテマラは、メキシコのすぐ南にあるスペイン語を公用語とする共和国です。コロンブス以前にはマヤ文明が栄え、1523年にスペインによって征服され、1821年に独立をしました。現在の首都はグアテマラ市ですが、南西方向に車でⅠ時間ぐらいのところにあるアンティグアは16世紀の半ばごろから200年以上の間、スペイン植民地グアテマラ総督府がおかれていました。街全体が世界遺産に登録されていて、古い歴史のある観光都市です。この街出身のエドウィン・ベガさんをインタビューしました。

ご自身についてお聞かせください

グアテマラでは英語の教師になりたくて、10歳の時プライベートのイングリッシュクラスに通い始め、のちに高校、大学で英語を学びました。奨学金を得てイタリアとスイス(ロンバルディ)にも留学しました。その後母校の大学に戻り、教鞭をとっていました。 2006年、スペイン語の勉強に来ていた日本人女性と知り合い結婚。4年後来日し、今は妻の実家のある焼津に住み、語学スクールや幼稚園で英語を教える傍ら、サルサダンスやグアテマラ料理、プライベ―トでイタリア語を教えています。静岡の大学の英語講座のアシスタントを務めた経験もあります。

グアテマラについてお話しください

国民の3分の2がカトリック教徒で、3分の1がプロテスタントの信者です。65%がマヤ系で35%が混血で、国民性は一般に楽観的でフレンドリー、優しいですね。主要産業は農業(コーヒー、バナナ、砂糖)や繊維産業です。
90%の人々が日本を知っています。グアテマラにはスズキ、トヨタ、ホンダなど、多くの中古車が走っていて、テレビでは漫画、ビデオカメラ、ソニー、三菱など様々なもので日本のテクノロジーを目にします。空手が日本発祥ということも広く知られています。
故郷のアンティグアは、年間平均気温が25度前後で湿度も高くなく、一年を通じて過ごしやすく快適なところです。街全体が世界遺産に登録されていて、スペイン語学校が非常にたくさんあり、かなり安い費用で語学留学ができます。その他、ハンディー・クラフト、布織物、染物、サルサダンスなどが学べて、日本からも勉強にくる人がいます。観光客が多いので警察がたくさんいてほかの地方都市に比べ、比較的安全です。
静岡の印象はどうですか?
空間的にちょうどいい人数の人がいると思います。混みもせず少なすぎることもない。美しく、人々がエレガントで素敵です。ファッショナブルでローマ、トリノ、ミラノを思い出しました。女性が魅力的で一般にきれいです。それに何よりも安全でいいですね。
私にも子供がいますので、限られた体験の中ですが気になっていることがあります。日本では親が、子供たちに物を与え過ぎたり、叱らないために子供が人前で大きな声で騒いだり、親に向かってぞんざいな口の利き方をするのが見受けられます。子供は大人に対して尊敬の態度が見られません。グアテマラの親はもっと厳しくて、子供は尊敬の態度で大人に接するようにときつくしつけられます。

ベガさんの著書について

グアテマラでは5冊の本を書きあげて、3冊を出版しました。そのうちの“English for Hotel and Tourism”は、英語とスペイン語で書かれたカラフルな絵入りのテキストで、ホテルマンのおもてなしの要領や、旅行関係の仕事についている人に役立つ語彙や表現が編集してあります。東京オリンピックに向けて、日本でもこの本を出版するのが夢であり、目標です。

知的で楽しい性格のベガさんは、硬さと柔軟さが良く調和している魅力的な方でした。

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記:編集ボランティア 川島 康子