留学生のための就職支援講座 「静岡県企業について」

2024年08月26日

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静岡県国際交流協会ではふじのくに地域・大学コンソーシアムからの委託を受けて県内企業に就職を希望する留学生に対し、就職に必要な知識やマナーの習得、静岡県の産業や企業についての理解を深めるための就職支援講座を実施しています。
その中の1つ、「静岡県企業」について報告をします。

留学生のための就職支援講座 「静岡県企業について」 (西部)

講師 臼井国際産業株式会社
総務部人事課 加藤理恵氏
初期管理部 パイプ製品設計1課 パンタ サンデスラジ氏
日時 7月11日 木曜日 12時45分~14時15分
場所 静岡大学浜松キャンパス工学部7号館 日本語教室2
受講者数 8名

駿東郡清水町に本社がある臼井国際産業株式会社は1941年設立の歴史ある企業です。全世界の自動車メーカーと直接取引をしている、独立系自動車部品のグローバルサプライヤーであり、今回は総務部人事課で採用を担当していらっしゃる加藤理恵氏、今年度入社の初期管理部 パイプ製品設計1課 パンタ サンデスラジ氏(ネパール出身)にお越しいただき、事業概要、企業の魅力、入社後の研修や仕事内容など、幅広くお話しいただきました。

主力製品については、車の基本性能を支える重要保安部品のサポート部品である車両配管を軸に、世界トップシェアを誇るパワートレインや自動車以外の分野をサポートする機能製品、FCV用高圧水素配管など次世代自動車分野のサポート製品などをご紹介いただきました。技術力に力を入れていて、技術開発型企業として特許出願は6,000件を超えているとの事でした。
社内の組織形態もご説明いただき、製造から営業まで一貫して行う為、取引メーカーごとに各部署の担当者がチームとして動くことや、充実した社内教育、福利厚生もお話いただきました。新入社員研修については、直近で研修を受けたサンデスラジ氏に楽しかったこと、苦労したことなどをお話いただきました。日本語で行う研修報告のプレゼンテーションに苦労されたそうです。

質疑応答は一人ひとりの質問に答える形で進められ、一番多かった海外勤務への質問に対しては、実際に母国に戻り自身のアイデンティティを活かして活躍している外国人社員がいること、ただし母国であっても企業の一員としての即戦力を求められるため、ある程度日本で経験を積む必要がある事を教えていただきました。その他、ボーナスや休暇についての質問がある中、企業としての一番の強みは何か、という質問に対して、「独立系企業の為、スピーディーな判断が出来ること。逆に言うと待っていても仕事は来ない為、強みをアピールできることが必要。その為にも技術力向上は不可欠。役員からは、「臼井の自慢は漏れないパイプ製品」という言葉もあった」とお答えいただきました。また、求める人物像についてお伺いしたところ、チームで動くので、コミュニケーション能力が高いこと、とご返答いただきました。

参加した留学生からは、「社員の学習の為の補助があることに感銘を受けた」、「将来のキャリアを考える上で大変参考になった」、「ぜひインターンシップに参加したい」などの感想があり、企業の魅力を十分に知る事ができたのではないかと思います。

最後にインターンシップのご紹介があり、今回対象者(3年生以上)はいなかったのですが、ぜひ来年インターンシップも経験してほしいと思います。そして、この講座をきっかけに静岡県企業に関心を持ち、県内で働く留学生が増えることを願っています。

留学生のための就職支援講座 「静岡県企業について」 (中部)

講師 株式会社ユニバンス
総務部人事グループ グラベナ エリキ氏(ブラジル出身)
生産技術部計画技術グループ 焦 思琦氏(中国出身)
日時 8月6日 火曜日 10時30分~12時00分
場所 B-nest 静岡市産学交流センター 6階プレゼンテーションルーム
受講者数 8名

自動車の駆動系部品の専門メーカーである株式会社ユニバンス(以下ユニバンス、敬称略)は、トランスミッションやトランスファーの他に農業用トラクターなどの産業用機械も含め、設計から開発まで自社で行う世界でも数少ない独立系企業です。

今回は人事グループのグラベナ氏と2022年入社の焦氏にお越しいただき、企業の魅力、求める人材の他、就職活動についてのポイントなど多岐にわたりお話いただきました。

「技術の前にヒトがいます」をスローガンに、企業としてはもちろん人としての独自性、多様性を大切にしている企業であると、グラベナ氏よりお話いただきました。実際、ブラジル、中国、インドネシアなど多国籍の外国人社員が在籍し、言葉だけでなく、各国の文化や宗教も含めお互いが大切にしているそうです。そんなユニバンスが求める人材は、チームワークを大切に結果にこだわり、チャレンジ精神でやり切る事が出来る人物であり、そういう人材を企業の行指針に基づき育成をしていくと、ご説明いただきました。

また変革期を迎えている自動車業界において、ユニバンスもその変化に対応するため、現業ビジネスから新規事業拡販に力を入れているとのこと。「新事業開発室」を中心にだれでもアイデアを出せる環境が整っているそうです。

仕事や内容や福利厚生についてお話があり、「もの」と「つくり」を別と考える、ユニバンスの「ものつくり」技術は設計、システム制御、実験というプロセスを自社で完結することができ、また製品を作るための設備開発も自社で行うという強みがあるそうです。その他各部署について、その役割が企業にとってどんな影響があるのか、わかりやすく説明いただきました。Eラーニングでの日本語研修や引っ越し時の家賃補助など、福利厚生も充実しているそうです。

2022年入社の焦氏(中国出身)からは、自身の就職活動について、事前準備として自己分析が重要であること、面接でよく聞かれる質問などの他、複数内定をもらった場合、いつまでに企業に返答をするか、そのスケジュール管理も大切な事を教えていただきました。現在は生産技術部に在籍し、設計図面を見て、生産ラインの設置を考える仕事に従事されているそうです。「外国籍社員が多くて働きやすく、有給も取りやすい。日本語がわからなくても、上司や先輩が教えてくれる」とお話いただきました。

またグラベナ氏からは、採用について約4週間であることの他、「外国人は覚悟を持って日本に来ている。就職するときは企業の将来性もみた方がいい」という言葉とともに、上場企業であることも判断基準になるとのご説明がありました。上場企業への就職のメリットとして、ビザの取得がしやすいこと、業績が安定しているので長期雇用が期待できる事などが挙げられました。ユニバンスは上場企業の為、インドネシアやタイからの直接雇用でも1回目から5年の在留資格がもらえるそうです。
参加した留学生からは、「企業内で日本人と外国人の間に差がないことがわかってよかった」、「就職活動について色々教えてもらえてよかった」などの感想や、「企業スローガンに感銘を受けた」という学生もいました。

インターンシップも実施されているので、参加した留学生のみなさんにはぜひ参加して、今日聞いたことを自身で体験をしてもらい、またその経験が今後の就職活動の糧になる事を願っています。