令和5年度 留学生就職支援講座 「静岡県企業について」「就職活動の基礎知識」「在留資格について」 

2023年11月01日

 

当協会では県内企業に就職を希望する留学生に対し、就職に必要な知識やマナーの習得、静岡県の産業や企業についての理解を深めるための就職支援講座を実施しています。 7月から8月にかけて開催した講座について報告します。

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「静岡県企業について」

日時:令和5年7月12日(水) 10時30分~12時00分
場所:静岡大学浜松キャンパス 工学部7号館3階日本語教室2  
受講者数:21名
講師:株式会社村上開明堂 管理本部 総務人事部 人事グループ 望月洋平氏、久住健太氏

株式会社村上開明堂の人事担当者の方にお越しいただき、会社概要や事業展開、求める人材等についてお話ししていただきました。1882年に創業した村上開明堂は、ミラーシステム事業とオプトロニクス事業を中心に事業展開する自動車用バックミラーのトップメーカーで、海外にも拠点を持ち、グローバル展開しています。製品の企画提案から開発設計・生産・出荷までを一貫して自社で行い、高水準のQCD(Q:品質、C:コスト、D:納期)を実現していること、学生のみなさんが聞いたことのあるような有名な車にも村上開明堂の製品が搭載されていることなどについて教えていただき、ミラー製品の実物にも触れながら、皆さん興味深そうな様子で説明を聞いていました。教育体系や福利厚生についても詳しく紹介していただき、採用に関しては、どんな人材を求めているのか、技術系、事務系問わず幅広い職種があり留学生にも活躍の機会が多くあること、外国人社員の状況などについても教えていただきました。質疑応答では、学生から多くの質問が寄せられました。海外出張はあるのか、日本語能力はどのくらい求められるのか、今後の事業展開について、入社後の教育について、大学の専攻が生かせるのかといった質問に対してひとつひとつ丁寧に回答いただき、和気あいあいとした雰囲気の中で活発な意見交換が行われました。
参加した学生からは、「事業内容や教育制度、新卒採用に関してよく理解ができた」「質問に詳しく答えていただき、非常に参考になりました」といった声がありました。今回の講座を通して興味を持ち、インターンシップに参加したいという学生もいました。この講座をきっかけに、県内企業に就職したいという留学生が増えてくれることを願っています。

「就職活動の基礎知識」「在留資格について」

日時:(浜松)令和5年8月8日(火)  10時00分~12時30分
   (静岡)令和5年8月9日(水)  10時00分~12時30分

場所:(浜松)静岡大学浜松キャンパス 工学部7号館7-11 
         (静岡)B-nest 静岡市産学交流センター 演習室3(ペガサート7階)

受講者数:(浜松)6名(静岡)7名

講師:キャリアカウンセラー 野口氏
  (浜松)行政書士 宇佐美氏、沖田氏
      (静岡)行政書士 中津川氏

前半は就職活動の基礎知識について学びました。留学生の中には日本での就職を希望していたにも関わらず、日本独特の就職活動の進め方やスケジュールを把握していなかったために就職を断念した、という方もこれまでにおりました。この講座では、日本の就職活動の特徴や流れ、企業が留学生に求めていること、日本語能力の重要性等について講義いただきました。日本では大学生は基本的に大学卒業までに就職先を決める必要があること、複数の企業の選考に同時に応募すること、勉強と就職活動を両立しなければならなくとても忙しい為、早めに計画を立てた方が良いこと等について説明がありました。日本語能力の重要性については、企業に提出する書類や面接では言葉で伝えることが必要であり、また、社会に出て困った時に役立つのも日本語能力のため、学生時代にしっかりと日本語を勉強しておくことが必要だと教えていただきました。最後に、就職活動は準備が大切だということ、留学生の仲間同士だけでなく、日本人学生とも交流したり情報共有したりしようとアドバイスいただきました。
後半は行政書士から、就職活動を進める上で必要となる在留資格のことについて学びました。留学生が日本での就職を希望し、就職活動を進めるにあたっては、就労可能な在留資格の種類、資格変更手続き等について把握しておく必要があります。講義の中では、就職に関連した在留資格について、内定から卒業、就職までの流れ、在留資格変更手続きに必要なことや、それぞれの資格によって認められる具体的な活動例、許可事例や不許可となった事例等について詳しく教えていただきました。よく留学生から聞かれる質問に対する回答として、大学卒業後に在留期限が残っていたとしても、資格外活動は教育機関に在籍している間に限り有効なため、アルバイトはできなくなること、就職活動を継続する場合は特定活動のビザで最長1年間滞在することができること等について説明がありました。社会保険や税金の支払いについても在留資格変更の際の要件となるので、学生の時からしっかりしておく必要があると教えていただきました。質疑応答では、大学での専攻と就職先の関連性、卒業までに就職活動が決まらなかった際の対応等について丁寧に説明していただきました。
就職活動や在留資格について知らなかったこと、改めて確認できたことが多くあり、大変参考になったようでした。参加していただいた皆さまありがとうございました。