NPO法人フィリピノナガイサ設立30周年記念パーティー
2025年01月31日
昨年12月22日、NPO法人フィリピノナガイサ設立30周年の記念パーティーが開かれ、関係者約200名が一堂に会し盛大に行われました。
「ナガイサ」とは一つになるという意味。30年前、浜松市周辺に住むフィリピン人主婦たちが、日本語が勉強したい、もっと日本の文化を知りたいという気持ちから「フィリピノナガイサ」は生まれました。仲間同士、一緒にがんばろうという気持ちが強かったそうです。
当日は、中村グレイス、松本義一代表理事の挨拶に始まり、フィリピン・日本関係各位の皆様からの祝辞、続いてこの30年の間にナガイサに関わってきた人たち、元生徒からのメッセージ。スクリーンに映し出された写真を見ながら懐かしそうに語る皆さんのお話に、皆当時を振り返ることができました。会食をしながらの時間は終始和やかで、あっという間に終わりの時間を迎えました。最後に20名近いスタッフやサポーターが全員メッセージを述べ閉会となりました。
代表理事のグレイスさんと松本さんにお話を伺いました。
グレイスさん、ナガイサとの関わりは長いんですよね?
はい、来日してナガイサの存在を知りすぐ日本語の勉強を始めました。当時の私にとってナガイサの存在は大きかったです。その後浜松国際交流協会HICEでフィリピン人の相談員をしていくうちに、家族で来日し浜松に滞在するフィリピン人が増えていくのを見て、より日本語教育が大切だと思うようになりました。今のナガイサは大勢のスタッフに助けられています。この先ずっとナガイサの活動が続いていくことを願っています。
松本さん、フィリピノナガイサの現在の活動をご紹介いただけますか?
現在は、「在住フィリピン人の自立と多文化共生社会の実現」を目的とし、「外国人生活者と日本社会を双方向に繋げること」を基本理念として活動しています。この基本理念を実現するために、地域社会で「窓口」「場」「出口」の3つの役割を担えることを目指しています。具体的な活動は、「移住者への教育支援」、「地域コミュニティ創造」、「地域人材育成」の三つです。各部門の詳細はHP( https://filipinonagkaisa.org/ )にてご紹介しています。
1994年にフィリピン人女性たちの互助会として発足した当団体は、30年の時を経て、たくさんの仲間に恵まれました。現在は、フィリピン人スタッフ・日本人スタッフともに「同じ地域で生活する当事者であり仲間」として活動を行っています。現在の活動にも、発足時の「助け合い」や「学び合い」、「楽しい」といったフィリピノナガイサのアイデンティティが引き継がれています。
30年前HICEのボランティアをしていた私は、フィリピン女性たちと知り合う機会も多く、フィリピノナガイサ結成と共に日本語教室を引き受けさせていただきました。日本語の勉強はもちろん、四季ごとの行事、子供たちの学校の様子、日本のしきたりなど、その都度フィリピンスタッフの希望を聞きながら楽しく授業を進めていったのを思い出します。
編集後記:
30年前に始まったフィリピノナガイサの活動が、さらなる大きな目標を掲げながら30年間ずっと続いてきたこと、そしてさらに「次の30年」を目指し、フィリピンと日本の架け橋として活動していきたいと語るスタッフの皆様に心から拍手を送りたいと思います。
記 編集ボランティア 髙木 睦子