やさしい日本語部
2024年08月09日
三島市の順天堂大学保健看護学部に『やさしい日本語部』という学生活動団体があります。外国にルーツを持つ方や、高齢者、小さな子どもとのコミュニケーションに有用な「やさしい日本語」の活用、普及を目指して活動しています。代表の牧陽菜さん、副代表の黒田礼さんに活動内容を紹介していただきました。
私たち『やさしい日本語部』は、2022年度に、現在の3年生が設立しました。設立のきっかけは「将来医療職者になる本学の学生がやさしい日本語について学ぶことで、より良い医療やケアの提供につながるのではないか」と考えたことです。3年目に突入した現在は計14名で活動しています。
「やさしい日本語」とは、普段使っている日本語を、相手に合わせて一文の長さに配慮したり、尊敬語・謙譲語を避ける言い回しに換えたりした日本語です。例えば「私たちは4年制の看護大学に通っています。」は、「私(わたし)たちは 大学生(だいがくせい)です。4年間(4ねんかん)、看護(かんご)について 勉強(べんきょう)します。」と言い換えることができます。「やさしい日本語」は外国にルーツを持つ方だけでなく、高齢者の方、小さな子どもなど多様な方々とコミュニケーションをとる際にも有用なツールの一つと言われています。
私たちは主にやさしい日本語を「学ぶ」「活用する」「普及する」の3軸で活動しています。
「学ぶ」
不定期で外部講師を招いてやさしい日本語に関する勉強会を開催したり、一般公募の講演会等に参加したりしています。昨年度は地域の方々もお招きして「やさしく学べるやさしい日本語」セミナーを企画・運営し「やさしい日本語」についての学びを深めました。
「活用する」
地域での活動として、三島市国際交流協会や地域に住む外国にルーツをもつ子どもへの学習支援教室などに参加をしています。活動参加時には、学んだ「やさしい日本語」というコミュニケーションツールを必要に応じて選択し、意識をして活用しています。2022年度からは国際交流基金による大学生交流事業に参加し、中国済南市にある済南ふれあいの場(山東師範大学)の学生とオンラインで交流を行いました。2023年度には実際に済南へ渡航して、現地学生と対面で交流をすることができました。
「普及する」
三島市国際交流協会主催のイベントでは「やさしい日本語」を体験できるミニゲームのブースを出展させていただきました。当日は、大人から子どもまで様々な方にゲームに参加していただき「やさしい日本語」について体感していただきました。イベントでは、ステージMCをする機会もいただき、演目の合間に「やさしい日本語」についての豆知識を紹介し、来場者の方から「やさしい日本語っておもしろいね」とのお声をかけていただきました。
私たち『やさしい日本語部』はこれからもより多くの方に「やさしい日本語」をコミュニケーションの選択肢の一つとして考えていただけるよう、学内のみならず学外においても活動していきたいと思います。
(順天堂大学保健看護学部『やさしい日本語部』牧陽菜、黒田礼)
≪担当:編集ボランティア 金子 諭≫