静岡空港2019NOW
2019年09月10日
4年前、2015年の静岡空港は中国人観光客を乗せるバスが頻繁に出入りし、出国カウンターの前は両腕で抱えきれないお土産を持った中国人観光客でごったがえしていました。それから4年、中国人観光客はどうなったのだろうか、静岡空港はこれからどう利用されるのだろうかという関心に押され、今年4月の民営化に向けて、準備作業只中の静岡空港を訪ねました。説明してくれたのは、富士山静岡空港(株)の営業推進・広報系統括マネージャーの谷津さんと運営準備室室長補佐の阪口さんです。
(中国人観光客は?空港利用者の今後は?)
空港利用者統計をみると、2015年は、中国定期便15便が就航し27万人もの中国人観光客が利用したので、空港利用者総数は69万8千人と過去最高を記録しました。しかし、翌年から中国定期便が減少し、2017年には4便、利用者15万8千人となりました。中国観光客、静岡空港利用者の今後はどうなるのでしょう?
「元高円安、路線誘致策の効果等が重なった2015年の中国観光客の激増と翌年からの減少は大きな衝撃でした。でも、中国以外の路線はその間右肩上がりの好調を維持した結果、2年後、2017年度には、空港利用者総数はピーク時2015年の96%67万人まで回復しています。今年も順調ですので、空港利用者は過去最高になると期待しています。中国の日本観光需要は旺盛ですから、路線が就航すれば、徐々に中国観光客はゆるやかに回復すると予測しています。」
(静岡空港の民営化)
今年四月、富士山静岡空港(株)の80%の株式を所有する三菱地所・東急電鉄グループが静岡空港の運営主体となり、静岡空港は民営化されます。静岡空港の将来をどのように捉えているのでしょうか?
「静岡空港は可能性にあふれた空港です。山梨や神奈川までを後背圏域にいれる二次交通網の整備、「旅したい」にこたえるLCCも含めた多彩な路線網の実現により、空港利用者は2023年に100万人、20年後には135万人の達成を目指します。」
「このためには地域・県・運営権者、三位一体による先導的空港経営をおこないますが、中でも『わくわくするそらの港』を目指して増改築を進める旅客ターミナルビルは、空港利用者だけでなく、地域住民の皆さんに楽しんで頂きたいと思います。」と説明を終え、民営化準備に追われるターミナルを案内していただきました。
(「わくわくするそらの港」)
ターミナルビルは1.5倍に増改築され、天井までガラスで覆われた国内線出発ロビーはまるでサンルームです。2階にはフードコートが出来ました。先行オープンしたラーメン、餃子、そば・うどん名店の前には列ができ、テーブルは満席で活気に満ちていました。4月までにはパスタと和食レストラン名店が加わるそうです。このほか物販店4店、ドラッグストア、カフェ、コンビニの他なんとリラクゼーション施設もあり、「憩いの拠点」の陣容です。
取材を終えて空港を離れるとき気づきましたが、駐車場はターミナルを訪れる人の車で埋まっていました。青空の下、遠く富士山を眺めながら、飛行機に乗るためのターミナルから「わくわくするそらの港」に脱皮した静岡空港へのドライブはおすすめです!!
記 編集ボランティア 杉山滋敏