令和4年度静岡県多文化共生総合相談センターかめりあ(静岡県受託事業)

2023年05月01日

 

当協会では、外国人の多言語相談窓口「静岡県多文化共生総合相談センターかめりあ」の運営を任され、5年目を迎えました。
外国人県民や外国人と関わる皆様、関係機関からは日々様々な相談が寄せられ、令和4年度は、相談件数 2,587件(前年度比423件、約20%の増加)、月平均約215件 の相談がありました。外国人住民の定住化や多国籍化、また技能実習や特定技能で来日する方も増える中、在留資格・労働・医療・福祉に関することなど、相談内容は多岐に渡っています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化し、感染の心配や病院受診、PCR検査やワクチン接種、水際対策の変更についての相談等が寄せられました。その他に、家族の呼び寄せに係る手続きや在留資格の変更、社会保険や子供の教育、消費関係のトラブル、職場での困りごと等様々な相談に対応し、相談センターは、外国人県民のセーフティネットとしての役割がますます求められています。

相談体制

「かめりあ」では、ブラジル、フィリピン、ベトナム、中国、インドネシア出身の外国人相談員と、行政や民間企業出身者、社会保険労務士の日本人相談員が相談を受けています。
相談内容に応じ、情報提供や傾聴、他機関への紹介などを行っています。日頃から各関係者、専門機関との連携を深め、相談者を適切な専門機関とつなぎ、的確な情報を得られるよう心がけています。かめりあへの相談は、SNSでの問い合わせが多いのが特徴で、いつでも気軽に相談できると、電話を持たない外国人にも好評です。
一方、手続きや申請などが必要な専門機関に通訳者がいないことも多く、相談が中断することもあるため、「かめりあ」と「専門機関」をつなぐ通訳支援も求められます。

相談内容

令和4年度言語別の相談件数は、多い順にベトナム語約29%、フィリピノ語約18%、インドネシア語約14%、ポルトガル語約11%、スペイン語約5% でした。その他の中には、日本語での相談420件程度も含まれ、外国人と関わる日本人や外国人を雇用する企業の方、日本語を話せる外国人からも多くの相談がありました。
相談内容については入管手続き(約23%)、コロナウイルス関係(約9%)雇用・労働(約8%)と順に多く、社会保険・年金 関係、結婚や離婚等の身分関係に関する相談と続いています。

専門相談会(弁護士相談会・行政書士相談会・出入国在留管理局相談会・社会保険労務士相談会)

通常の相談業務に加え、専門相談会を開催しています。毎月第2水曜日の午後と月末の午後は静岡県弁護士会と連携した法律相談、月末の午前は静岡県行政書士会による行政書士相談、第3火曜日の午前は社会保険労務士、午後は名古屋出入国在留管理局による相談会を開催しています。
弁護士と出入国在留管理局の相談数が特に多く、弁護士相談は離婚やDV、金銭トラブルなど44件、入管相談は、家族の呼び寄せや永住権申請などについて77件の相談がありました。

出張相談会

他市町や外国人コミュニティと連携した出張相談会も開催しております。今年度は全7回、焼津市、掛川市、御殿場市、藤枝市、湖西市、富士市と連携して実施しました。
出張相談会には、弁護士、行政書士、社会保険労務士、社会福祉士などの専門家に同行いただき、問題が多義にわたる場合にも、専門家が連携してワンストップで対応することで解決したケースもあります。出張相談会は基本的に週末に開催し、平日は仕事などで時間が作れない方にも相談できる機会を提供しています。

令和4年度の相談事例を一部紹介します。

(入管手続)
Q 母国にいる家族を呼び寄せたいが、どんな手続きが必要か。
Q 離婚するにあたって必要なビザ変更手続きについて知りたい。

(コロナウイルス関係)
Q コロナに感染し自宅療養していた。傷病手当の申請について知りたい。
Q 一時帰国していた家族が再入国するので、現在の水際対策を知りたい

(雇用・労働)
Q 退職を考えているが、有給休暇の取得や退職金、失業手当の申請などについて教えてほしい。
Q 学校を卒業したけどまだ就職先が見つからないので、引き続き仕事を探したい。どうしたらよいのか。

(社会保険・年金)
Q 帰国予定だが、年金の脱退一時金を受け取れるのか、どのような手続きが必要か知りたい。
Q  家族を社会保険の扶養に入れたいので、どうしたらよいのか、要件などについて教えてほしい。

(その他)
Q 数週間前に来日したが、子どもを学校に通わせるためにはどうすればよいのか。
Q できるだけ早く日本語を習得したいので、日本語教室を紹介してほしい。