定住外国人正社員雇用促進セミナー （令和4年度定住外国人正社員就労促進事業　県労働雇用政策課委託）

　

静岡県には、日系ブラジル人等の「定住外国人」が多く在住しており、多くの方が派遣や請負等で働いている特徴があります。
県では、就労制限がなく、就労意欲のある方々を、正社員として迎え入れるよう、県内企業に働きかけを行っています。
企業向けセミナーでは、５回にかけて、定住外国人を正社員雇用する企業の責任者と定住外国人正社員から、事例報告をいただいています。
今回は、（一社）静岡県トラック協会と連携し12月に開催した第２回と、静岡県中小企業家同友会榛南支部と連携し1月に開催した第３回について報告します。

第２回

日時：令和４年12月２日（金）15：35～16：30
開催会場：静岡県トラック会館5階大会議室　　
講話者：鈴与カーゴネット株式会社　統括本部　人事・総務課　課長　幸田隼人　氏、
株式会社鈴与カーゴネット浜松　磐田営業所 大型トラックドライバー　コガ　グスタボ　ケンゾ　氏
内容：（企業）
高卒ドライバーも含め、色々な採用手法の１つの手段として外国人雇用に着手した。
定住外国人のドライバーを全国に現在７人採用している。法定研修は動画を活用し、耳から入るよう工夫している。
ドライバーの特性上、高いハードル、採用条件をつけることは仕方がないことだが、一定の条件を満たせば今後活躍できる人材として外国人を採用してもよいのではと考える。

（定住外国人正社員）
現在30台後半。ブラジルの小・中学校を卒業後16才で来日。派遣を経て念願のトラックドライバーの正社員になった。入社時は、先輩がふりがなを振ってくれたり、同僚がわかりやすい日本語で教えてくれたりするなど、周りのサポートがとても助かった。
長くこの仕事を続けたいと思っている。事故のないよう安全運転を心掛けがんばりたい。

第３回

日時：令和５年１月19日（木）18：00～20：00
開催会場：牧之原市商工会２階　防災研修室
講話者：光誠工業株式会社　代表取締役社長　今野　英明　氏、株式会社矢部製作所　第一製造部　製造課長　八木　ラケル　氏
内容：（企業）
工業用部品・車両部品の塗装の会社。現在、定住外国人３人を正社員として採用している。人口減少で人材確保が困難な中、多様な人材が働きやすい会社を目指すことが、会社の持続的な発展に繋がると考えている。
定住外国人の採用後は、全従業員に優しい会社となり、定着率がよくなった。塗料を扱う仕事上、臭いや汚れを気にする人がいる中、定住外国人はよく働いてくれる。人材不足に悩む会社は外国人人材の受け入れを検討したらどうか。

（定住外国人正社員）
フィリピン出身。板金加工の会社で働いている。
最初はパートの採用だったが正社員となり、昨年の６月に製造課長となった。
今は技能実習生の指導や管理業務等をしている。入社時は慣れないことが多かったが、同僚が子どもの学校のことや近所の付き合い方などを丁寧に教えてくれたほか、会社の上司にもお世話になり、これまで長く続けることができた。
製品のクレームを減らしていくことが自分の目標。
日本語は、テレビを見て、わからない言葉は携帯で調べる等、日々努力している。
外国人と働くことはトラブルもあるかもしれないが、皆明るく、納得すればよく働いてくれる。

最後に参加企業の皆様とグループディスカッションを行い、下記のようなお話がありました。
・外国人雇用はこれからの時代は必須。雇用する上での具体的な話が聞けてよかった。
・人手不足の中で受入れ側の姿勢が大事だとわかった。
・定住外国人の採用といっても間口がわからないので、定住外国人正社員就労促進事業のアドバイザー支援制度を活用してみたい。

本事業は、残り２回の企業セミナーと、定住外国人向けセミナー、通年行っている定住外国人及び企業双方への採用や定着を支援するアドバイザー支援制度があります。
本事業では、正社員として活躍する定住外国人を増やし、様々な人材が活躍できる環境づくりを進めます。