静岡県医療通訳体制整備事業 令和元年度医療通訳者専門(フォローアップ)講座

2019年11月05日

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静岡県では、平成29年度より、外国人が安心して医療を受けられる環境を整備するために、県内医療通訳体制の整備に取り組んでいます。外国人が病院を受診する時は、ことばや文化の違いなどから、心細く不安なものです。そのような不安を解消するために、医療通訳者の存在は、医療従事者と外国人患者をつなぐ重要な役割を担う存在です。当協会は、静岡県の委託を受け、下記事業を実施しています。


今年度は、平成29年度、30年度に養成講座修了生を対象とした専門(フォローアップ)講座を、8月25日、9月22日の2日間に開講し、56名(延べ人数)が受講しました。

1回目の講座では、基礎講座から静岡県の医療通訳養成にご協力いただいている神奈川県勤労者医療生活共同組合 港町診療所 所長・総合内科専門医 沢田 貴志先生をお迎えし、医療に関する基礎知識について、学びました。いくつかの事例から、通訳者の基本である、「足さない、引かない、変えない」ことについて理解を深めたり、診療の中で大切な検査や薬に関する基礎知識について、学びました。専門用語も多く、受講生の皆さんは、辞書で調べたり、受講生同士助け合ったりしながら、熱心に取組みました。

2回目の講座では、20年以上医療通訳者として経験を積む一般社団法人全国医療通訳者協会 岩本 弥生 氏を講師に迎え、逐次通訳解説、通訳技術トレーニングについて学びました。

医療通訳に必要な語学力、知識について、当日を迎えるまでの準備についてなど、日頃の積み重ねが医療通訳には求められること、また、実際の通訳中に、必要な通訳の介入の仕方、内容確認の方法、守秘義務を守る倫理、ボランティア活動ではなく、専門家としての心得など説明がありました。その内容を踏まえ、午後には、それぞれの言語別講師(スペイン語  浜松医科大学 形岡 洋光 氏、中国語講師  医療通訳者 宇野 冬美 氏
ベトナム語  医療通訳者 飯田 まどか 氏、フィリピノ語 看護師 エバンヘリスタ マクス ロイ パネル 氏)からアドバイスをいただきながら、ロールプレイに取組みました。


「神経精神科」「左心低形成症候群」「結核患者」について、医師役、患者役、通訳役に分かれ、医療通訳の現場を想定した実践的な訓練を行いました。
手術の内容の説明、病気の症状、薬の種類など、むずかしい言葉を医師に聞き返し、それを患者さんに理解いただくように通訳することを繰り返し、勉強しました。集中してロールプレイに取リ組み、今後の医療通訳業務に着実に生かされることと思います。


今年度は、上記講座開催の他、1月~3月に、医療従事者を対象とした医療通訳セミナーを予定するとともに、病院からの要望に応じ、医療通訳者の紹介の事業を引き続き行っております。