外国人観光客が増加した富士山静岡空港を訪ね様子を聞きました

2016年01月23日

日本旅行ブーム、静岡空港は!?

2014年日本を訪れた外国人観光客は、前年を30%近くをも上回り、1,341万人に達したと日本政府観光局は推計しています。中でも中国人観光客は83%増の240万人となり、台湾282万人、韓国275万人に続く位置を占めた様子です。
継続する円安の中、アジアは日本旅行ブームに沸いているといわれていますが、大韓航空ソウル便の運休や中国天津航空チャーター便就航開始(今年定期便就航)など、昨年大きな変化があった静岡空港の外国人観光客の利用はどうなっているのでしょうか?富士山静岡空港を訪ね様子を聞きました。

「外国人観光客のメインが韓国から中国へと大きく振れたため、空港もいくつかの対応を取りました。」とおもてなし推進室長の鈴木さんが静岡空港の変化と対応を具体的に説明してくれました。

中国人観光客が増加、猛烈なお土産購買力

中国人観光客の特徴は、日中関係が冷え込む中での急激な増加に加え、桁外れのお土産購買力なのだそうです。静岡空港に降り立った中国人観光客は、空港から東京へ、大阪へと5泊6日程度の観光旅行に向かい、この間旺盛に買い物をし、再び静岡空港に戻り帰国の途につきます。
出発前のロビーは、手荷物を山のように積んだカートを押して手荷物検査に向かう人や、床一杯に土産を広げ少しでも小さな荷にしようと懸命に荷造りに取り組む人々でごった返します。
電化製品や何やらのダンボール数個を含む引っ越し荷物のような手荷物を見て、他人事ながら「全部無料で飛行機に積めるのだろうか?超過料金は?」と心配してしまいます。「超過するお土産はすべて機内に持ち込むようですよ。搭乗者は両手に持ちきれないほどの荷を持ち飛行機に乗り込みます。」と鈴木さん。
機内に持ち込む手荷物があまりにも多く、検査に通常以上の時間を要することから、手荷物検査のスタッフや体制も強化したそうです。
出国審査を経て出国しますが、出国後も新しい対応が必要となったそうです。日本国内旅行中に日本製品を大量に買い込み、団体バスに積み込むのも苦労するほどの荷物を抱えて空港に戻った人々ですが、出国後の免税店でも搭乗者の70%が最後の買い物をするそうです。そして、韓国人・台湾人観光客と比べ、より旺盛に免税店で日本製品を求め、また、桁外れの量を買い求める人も多いそうです。

お土産の売れ筋は?

特別な許可を得て空港内免税店を見せていただきました。
高級免税品が余裕を持って陳列されていた以前の様子と異なり、陳列棚は品物であふれ、お店の前には炊飯器やポットが段ボールで積まれ、色とりどりのランドセルが飾られ、冷蔵庫にはチョコレートが箱のまま何ダースも詰め込まれています。「ここ30分の間に高級炊飯器が3台売れました。これ以上のお土産はもって帰れないと残念そうに炊飯器を諦めた人もいました。」と応対に忙しい中国人スタッフが話してくれました。
「外国人観光客の性格・嗜好は国・地域により異なります。昨年は中国、特に天津・北京周辺からの観光客が大きなインパクトとなりました。旺盛なお土産購買力とそれへの対応は勿論ですが、独特の性格・嗜好を理解するとともに、中国人スタッフや中国語スタッフの充実、案内や免税店の機能強化など、様々な対応を取りました。変化の激しい国際観光ですが、先を見通す日ごろの情報収集ときめ細かな対応に力を入れ、静岡空港の可能性をさらに広げていきたいと思います。」と吉永さんが話を結んでくれました。
吉永さん、鈴木さん、スタッフの皆さん、ご協力ありがとうございました。

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記:編集ボランティア  杉山滋敏  邑松亨子