栗山さやかさんが国家資格「医療技術師」を取得

2016年01月23日

「医療技術師」試験に見事合格

御前崎市出身の栗山さやかさんは、現在モザンビーク北部のニアッサ州に住み、病気や貧困に苦しむ子どもたちへの生活・学習支援や女性の自立に向けての支援活動を行っています。治安が悪く、厳しい環境の中での支援活動を続ける一方、猛勉強の甲斐あって昨年末には同国の国家資格である「医療技術師」試験に見事合格を果たしました。
「医療技術師」は、診察・治療・投薬等々をする、村のお医者さん的役目を担う。
1月中旬、9年ぶりに一時帰国したさやかさんに、現地の様子や「医療技術師」合格までの歩みを聞く報告会が御前崎市内の公民館で開かれました。

支援活動の原動力

高校卒業迄を御前崎市で過ごし、東京の短大を卒業した後、都内で働いていたさやかさんが海外への一人旅に出たのは2006年2月のこと。同い年の親友の病死がきっかけでした。
この先自分はどう生きたらいいのか、今自分に出来ることは何か、を見つめ直したいとの思いからでした。先ずはアジアの国々を回り、インドでは医療施設でボランティアを経験。
その後アフリカ大陸に渡り、各国を旅しながら時々施設や病院でボランティアをするようになりました。その時に見た事・感じた事が、その後のさやかさんの進路を決定付けたようです。学習する施設や機会も無く、食糧や衛生事情の悪さ、絶対的な医師不足の中、病気や怪我、エイズウイルス感染などで若くして亡くなってしまう子どもや女性達の何と多いことか!アフリカの地でこういう現実を目の当たりにした時には、日本に生まれ今まで無事に育ってきたことがまるで奇跡のように思えたそうです。この思いこそが、この地での支援活動の原動力となり、そして今回の「医療技術師」試験への挑戦につながっていきました。

2009年モザンビーク共和国に移り住み、この地でNPO団体【アシャンテ・ママ】(ありがとうみんな、の意)を自力で立ち上げ、本格的な支援活動を始めていきます。
子ども達を集めてポルトガル語(公用語)の読み書きを教え、女性達には病気に対する知識や予防法を教える一方で、働く場を提供する…土地を耕し作物を栽培することで給料をもらい、売り上げの収入を得るという、経済的自立へ向けての支援活動もやっていきました。

地元からの応援

さやかさんのこうした地道な活動を地元からも応援しようと、2013年に出身校である県立池新田高同窓会が「さやかさん応援募金事務局」を組織し、広く募金活動を始めました。
以後今日まで、多くの人々の様々な形での応援により、現地の人々の生活環境は少しずつ改善されて来ています。支援金でレンガ造りの学習小屋を建てることが出来た。井戸を掘った。蚊帳や履物を支給することで怪我や伝染病感染を予防出来るようになった…等々。

さやかさんの支援活動は、この先もまだまだ続きます。「医療技術師」としての活動には、重い責任も伴うことでしょう。地元からの心強い応援を支えに、その情熱と実行力で現地の女性や子ども達の生活環境の更なる改善・向上に取り組んでいって欲しいと願っています。

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記:編集ボランティア 齊藤淑子