令和3年度静岡県災害時外国語ボランティア研修会 大雨から命を守るために

2021年12月03日

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①「災害時外国語ボランティアの活動について」 講師:静岡県多文化共生課 主査 平田春奈氏

静岡県多文化共生課から、静岡県内の外国人住民の状況や災害時外国語ボランティアの活動について説明がありました。災害時外国語ボランティアの活動として、災害発生時における、地域の避難所や自治会、地域のコミュニティでの外国人支援や、大規模災害発生時に県が設置する、災害時多言語語支援センターからの依頼による翻訳・通訳があること、また、ボランティアの皆様に期待することは、語学だけでなく、それぞれが活躍できる場で、日本人住民と外国人住民の架け橋になってもらうことだと説明がありました。

②「富士市の外国人住民の状況について」 講師:富士市国際交流室 室長 吉野正敏氏

富士市の外国人住民登録者数は、現在約6,000人で、近年ベトナムの方が増加しています。特徴としては、20代の人数が多いこと、技能実習や技術・人文知識・国際業務等の就労ビザで在住する方が増加していることが挙げられました。令和元年度に実施した外国人市民意識調査についても説明がありました。日常会話が出来る言語として、7割以上の方が日本語を挙げていることが分かり、富士市では静岡県と共に、やさしい日本語の普及に取り組んでいることが紹介されました。また富士市では、富士市多文化共生推進プランを策定し、市の施策として多文化共生を推進しています。防災関連では、外国語のハザードマップの作製や防災講座の開催、また、多文化共生推進の拠点施設である富士市国際交流ラウンジ(FILS)では、外国人住民への多言語による相談対応や、日本語学習支援等を行っていることについて、紹介していただきました。

③「大雨から命を守るために-静岡県富士市の場合-」 
講師:富士市防災危機管理課防災対策担当 統括主幹 久保博司氏

近年、全国で大雨による洪水の被害が増えており、富士市でも雨による被害が出ています。大雨から命を守るためには、危険な場所を知ることや、「いつ」「どこへ」「どのように」避難すべきかを考えておくことが大切です。
富士市では、危険な場所を知り、避難方法等について考えてもらうために、「逃げどきマップ(洪水ハザードマップ)」を作成しています。この講座では、「危険なところを知る」「避難の方法を考える」「情報の取り方を知る」という3つについて学んだあと、自分が住んでいる場所や家族の状況によって異なる避難方法を具体的に考えるためのツールである「マイ・タイムライン」を作成しました。
講師から、浸水想定区域や土砂災害危険箇所などの用語の意味や避難情報が発令されるタイミングや分散避難の必要性、静岡県防災アプリや気象庁のウェブサイトの見方などについて説明があり、情報の取り方を知っていると、大雨の時の土砂災害や洪水の危険性が分かるので、様々な情報を取りながら、避難のタイミングを逃さないことが重要だと学びました。また、実際にマイ・タイムラインを作成することで、自分の住む地域にはどんな危険があるのか、避難場所や避難方法はどのように決めたらよいのかを考えることができ、避難についての理解が深まるとともに、災害が起きる前から準備しておくことの大切さを再確認することができました。
後半は、外国人住民を含めたグループに分かれ、外国人はどのように災害情報を入手しているのか、どのように情報を伝えたら良いのか等について意見交換を行いました。意見交換の中で、情報はSNSから得ていること、危険な箇所や避難場所についてはあまり把握していないこと、災害に関する用語は難しく分かりにくいため、やさしい日本語で発信することが必要だといった意見が出ました。