令和2年度 静岡県外国語ボランティア研修会(中部)

2021年01月08日

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静岡県では語学力を活かし、様々な機会に外国語ボランティアとしてご活躍いただくため、「外国語ボランティアバンク」を設置し、大規模災害発生時に外国人県民に対し支援を行う「災害時外国語ボランティア」も併せて募集しています。8月29日(土)静岡県男女共同参画センター「あざれあ」において、静岡県外国語ボランティア研修会を開催しました。午前は「災害時多言語支援」、午後は「通訳・翻訳は文化理解から フィリピン編」をテーマに行いました。

 

災害時外国語ボランティア研修会(災害時多言語支援)

 

午前は16名の方が参加し、災害時における外国人支援について学びました。最初に「災害時外国語ボランティアの活動」について、静岡県多文化共生課から説明がありました。災害時外国語ボランティアに期待されることや、具体的な活動内容について説明していただきました。
次に、ネパール出身のナレス・マハラジャン氏(静岡県ふじのくに防災士)による、「災害時に外国人が直面する課題及び災害時外国人支援の心構え」をテーマとした講義がありました。支援側が留意すべきポイントとして、相手の宗教、文化、風習などを配慮した支援を行うこと、説明はわかりやすい言葉であいまいな表現は避けることが重要であると指摘がありました。外国人の防災意識向上のために私たちができることについてもお話いただきました。
後半は、外国人住民を迎えてのパネルディスカッション、グループディスカッションを行い、「母国と日本の防災意識の違い」などについて意見交換が行われました。ほとんどの外国人は災害がきてもどのようにしたらよいか分からない、母国では防災意識が薄い、日本で実際に体験してから防災意識が高まった、といった意見がありました。災害時には外国人に対してわかりやすい言葉や、それぞれの文化に応じた支援を行うことが求められます。参加者の方からは、実際に外国人住民の方の話を聞くことができとても参考になった、地域での活動に役立てたい、といった感想をいただきました。
 

外国語ボランティアバンク研修会(通訳・翻訳は文化理解から フィリピン編)

静岡県に住む外国人の中でフィリピンは2番目に多く、交流の場面も広がっています。この研修ではフィリピンの文化や、なぜ英語ができるのかについて、グループワークも交えて学びました。研修は全編英語で行い、13名の方が参加しました。
前半はフィリピン文化の紹介として、食や性格、習慣などについて話していただきました。フィリピン人は食べることが大好きで、日々の生活と食とが密接に結びついていることがわかりました。性格や特性としては、思いやり、誠実さ、礼儀正しさやおもてなしの心があることを、多くの例を挙げながら紹介していただきました。またフィリピン人は家族を特に大切にし、年長者に敬意を払い、助け合いながら生活しているとの話もありました。フィリピン人はダンスも大好きということで、講師の方に振り付けを教えてもらいながら参加者全員で簡単な踊りも実践しました。
フィリピンは母国語のタガログ語と共に、公用語として英語が使われ、英語ができる国として有名です。後半は、「なぜフィリピン人は英語ができるのか」をテーマに、グループに分かれ自由に意見交換をしました。英語を学ぶ上で大事なのは、発音をよく聞き耳で覚えること、音楽や映画など好きなものを通して自ら楽しく学ぶこと、などの意見が出ました。英語での会話を楽しみながら、様々な意見が出るグループワークとなりました。
参加者の方からは、講師皆さんの説明が楽しくわかりやすかった、参加型で色々勉強になりとても良かった、などの感想をいただきました。フィリピンの文化理解を深めることができ、語学勉強のモチベーションアップにもつながる楽しい講座となりました。