観光振興策について調査をした静岡県庁職員の鈴木陽介さん

2016年03月03日

米ハワイ州東西センターで1年間、観光振興策について調査

米ハワイ州東西センターにおいて、昨年4月から3月まで1年間、観光振興策について調査をされた静岡県庁職員鈴木陽介さんにお話しを伺いました。

ハワイで観光振興策について調査されたとのことですが、内容を教えてください。

観光といっても、ただ外から人を集める、といったものではなく、そこに住む人たちが自分たちの地域の魅力に触れ、住人自身が自分の住む町を好きになり、それが外から人を呼ぶ原動力となり、観光振興につながるような政策を学びたいと考えました。そこで、私が目をつけたのがイベントです。ハワイ最大級のイベントであるHonolulu Festivalの運営スタッフとして企画、運営に携わりました。また、ハワイの美術館で開催されている夜間開放のイベントを見学させてもらいました。
もともと地元の若者たちが芸術品、美術品について、あまり関心がなく、美術館がいつもがらんとしていて、何とかして、注目を集めようと企画したのがこのイベントの始まりだそうです。毎月一回、夜に美術館入り口や、その周囲で、飲食の出店をし、音楽を演奏したり、和やかな交流の場が提供されます。観光客の皆さんも地元の人々と交流して、楽しい夜を過ごします。
静岡で将来的に同様のイベントを実施できるよう、企画案を作成しました。静岡の大学生さんにも協力していただいて、静岡を訪れる人々も巻き込んで、当県の良さを知っていただくのも一つの考えだと思っています。

ハワイの現地の人々との交流はどのような方法でしたか?

ハワイ大学の寮に住んでおり、また大学で多文化コミュニケーションの授業も受講していたため、常に現地の人々及び他国から来ている方々と交流する機会はありました。その他、ボランティア活動として博物館の受付をしたり、日本語の授業のアシスタントをしたりすることで、現地の方々との交流を深めると同時に、日本の文化や、静岡県のことについても紹介することができました。

静岡県の観光振興に学んだことを取り入れるべき点がありましたか?

観光振興においては、まずそこに住む人たちが自分の街を好きになってもらうことが必要だと考えます。美術館でのイベントを例にしますと、このイベントはもともと地元の美術に興味のなかった若者を呼ぶために始まりました。そこから規模が拡大し、地元企業がスポンサーとなり、人々が交流する文化発信の場となり、観光客をも呼べるようなイベントとなりました。
Honolulu Festivalはアジア太平洋地域の文化交流を目的としており、ハワイの方々に日本を含めた他国の文化を伝えることを主たる目的の一つとしております。ハワイの人々を惹きつけるイベントとして確立し、それがハワイ外からの観光客を惹きつけるようになっていきました。
イベントが地元の方々を魅了し、その動きが地域の新しい魅力を創り出しているとことです。こうした地域発のムーブメントを静岡でも起こせないかと模索しております。読者の皆様とも是非一緒に静岡県を盛り上げていきたいです。

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記:編集ボランティア 邑松 亨子