ブラジルのコロナ禍の現状

2020年11月01日

 

今回はサンパウロ在住の静岡県対外関係推進員 モライス アレシャンドレさんから届いたブラジルのコロナ禍の現状をお伝えします。

モライスさんからのリポート

コロナ禍はブラジルにも大きな影響を与えています。

国内で緊急事態宣言が発令されたのは2020年2月3日、その後、2月26日サンパウロ市で国内初の感染者が確認、3月17日には初の死亡者が確認されました。

以後、外出自粛が促され、3月23日以降は教育機関も全面的に休校となりました。また、人々が密集するショッピングセンターや映画館、スポーツジム等の施設も閉鎖されました。

サンパウロ州では外出時のマスク着用が義務化され、地下鉄やバスでは、マスクを着用していないと乗車できない状況になっています。

コロナ禍による景気後退で、失業者も急激に増え、中小企業の倒産も相次いでいます。国は4月から失業者や低所得者を対象に緊急支援金の給付を始めましたが、生活に苦しんでいる人はまだ多くいます。

サンパウロ州では、州政府が6月から外出規制の段階的な緩和計画を実施し始めました。5段階(赤、オレンジ、黄色、緑、青)の計画です。各段階で、感染状況の指標や諸条件が満たされた場合、飲食店やショッピングセンター、美容院、事務所等の営業施設の再開が認められます。

ブラジル最大都市であるサンパウロ市では、10月9日時点で「緑レベル」になり、より多くの施設の再開がスタートしました。しかしながら、毎年恒例の年末年始の大規模イベントやカーニバルはすでに中止。公立学校の対面授業の再開については、おそらく年内はないと言われています。

10月10日の時点で、ブラジル全国の累積死亡者数は150,236人、感染者数は5,091,840人に上っています。
低所得者支援のために、民間団体や企業による慈善活動も行われていますが、すでに大きな社会格差のあるブラジルでは、生活困窮者が増えていくことが予想されています。

写真:地下鉄の中の様子

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