平成29年度 やさしい日本語研修会

2017年07月03日

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日本企業で働く外国人社員や技能実習生等が増え、日本語習得や生活文化への適応が求められる一方、受け入れ側である日本人社員も異文化理解やコミュニケーションスキルが求められるようになりました。当協会では、企業から技能実習生等への日本語指導の依頼を受ける際には、日本人社員を対象とした「やさしい日本語」研修会の実施もあわせて提案し、実施しています。5月1日にSUS株式会社(菊川市)で実施した研修会についてご紹介します。

研修会は、講師に加藤庸子氏(NPO法人浜松日本語日本文化研究会代表)を講師に迎え、外国人にとってはどうしても習得が難しい発音や聞き取れない音、イントネーションがあるというお話を聞きました。そして、現在、受け入れている実習生の日本語レベルはN5~N4程度ということをふまえると、日々の業務内容を正確に理解することは相当難しく、彼らとコミュニケーションを図るためには日本人側が歩み寄る姿勢をもち、自分が話す日本語に注意を払う必要があること、そのための工夫と経験が重要であるというお話がありました。日本人社員の皆さんに心がけてほしい工夫として、できるだけ短文で、分かち書きをすること、ゆっくり話し、難しい語彙は「やさしい日本語」へ言い換えてほしい等が紹介されました。その後、会話文を「やさしい日本語」に言い換える作業をし、どのように工夫したか発表していただきました。一見簡単そうに思える「やさしい日本語」への書き換え作業も、実際にやってみると社員の皆さんからは、気をつけないとつい説明するための言葉が多くなってしまいがち、長文になってしまいがち等という感想が聞かれました。最後に講師より、何より相手への「やさしい気持ち」を忘れずに、実習生にできるだけ話しかけてほしい、できたときには褒めることを忘れないでほしい、というコメントがあり、社員のみなさんも共感されていました。

当協会では、平成29年度も実習生等への日本語指導と同時に日本人社員向けの研修会を実施し、地域日本語教育の観点から実習生等と日本人社員をつなぐ事業に取り組んでいきます。