特定非営利活動法人 浜松外国人子ども教育支援協会 (通称:TOMO2)
2019年11月08日
メッセージ | 外国につながる子供たちが、日本で成長するために欠かせない日本語・学習支援と、子供のアイデンティティを確かなものとするための母国語支援。その双方を行うことで、外国につながる子供たちが将来地域社会の一員として活躍できることを目指しています。 母国と日本、2つの国の文化を持つ子供が日本人の子供と「友に(TOMO2)」なり、学校や地域社会の中で「共に(TOMO2)」生き、未来を築いていく。私たちはその一助となるよう、「プロフェッショナルな目」と「ボランティアの熱き心」を持って、つながっていくすべての人々と「共に(TOMO2)」活動しています。 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 浜松外国人子ども教育支援協会 (通称:TOMO2) |
市町 | 浜松市 |
取組名 | 外国につながる子供たちの日本語・学習支援及び母国語・継承語支援 |
総事業費 | 30,086 千円 |
助成金額 | |
連携団体 | 静岡県国際交流協会、浜松国際交流協会、ブラジル領事館、国際基督教大学、浜松市教育委員会 等 |
背景 | 日本語・学習支援においては、外国籍の子供たちのための日本語指導法研究やその実践として1991年に開始し、翌年、県の委託を受けた浜松市教育委員会による、「浜松外国人児童生徒適応指導教室(通称『ことばの教室』)」開始に伴い、指導者として参加し、浜松市立元城小学校をセンター校として活動を開始しました。母国語支援においても、日本語・学習支援と同時に、バイリンガルスタッフによる指導を開始しました。 2007年に当該団体がNPOとなり、浜松市より外国人子ども教育に関する委託事業が開始され、日本語教室を「はまっこ」、母国語教室(ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語)を「まつっこ」と命名し、現在に至るまで毎年受託しています。 このように、当該団体は創始期から、「日本語・学習支援」と「母国語支援」を並行して取り組み、それは、当該団体の核となっています。 |
目的 | 日本の学校で学び、日本で成長するために欠かせない日本語・学習支援と、子供のアイデンティティの確立、家族間のコミュニケーションのために欠かせない母国語支援。その双方を行うことで、誰もが自分の未来に生き生きとした夢を持つことができるようになることを目的としています。 |
概要 | 日本語・学習支援においては、1993年より市内にセンター校方式で開始し、2013年より浜松市の中区・南区エリアの小学校29校、中学校17校で250名あまりの子供たちに指導しています。 少人数できめ細やかな指導をしています。 母国語支援においては、日本語・学習支援と同時に開始し、2007年より地域の公共施設でスキルを積んだバイリンガル指導員による指導が行われています。母国語教室(ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語)では、現在280名あまりの子供たちが、母国語や母国の地理、歴史、文化を学んでいます。また、バイリンガル指導員は日本の小中学校に編入した子供の心の支えとして初期適応支援に関わっています。 更に、2014年より市内幼稚園にて就学前支援を開始し、入学後に学校生活がスムーズに送れるよう支援を行っています。 |
特色/特徴 | 日本語学習テキスト「はまっこ」を開発、定着度を図るための「習熟度調査」というテスト問題も作成しました。副教材も多数あり子どもの興味、関心を引き、五感に訴えるように工夫されています。そして定期的な研修会を通して指導力向上に努めています。 母国語教室では、子どもたちが行事体験を通して、母国の文化や歴史に触れる機会を設けています。母国語習得は保護者との関わりが必要であるため、常に保護者との連絡を密にとり、関心を高める支援をしています。 全ての取組を日本人・バイリンガルスタッフの協働で行っています。 |
実績 | 開発された教材は、非常に好評で、講習会等の要請に応えて出向くことが増えてきています(浜松市教委、県多文化共生課等)。 母国語教室では、「話す」だけでなく、「読む」「書く」ことができるようになっています。 保護者を巻き込むことで保護者の意識の醸成、家庭内教育力の向上につながっています。 |
今後の展開 | 日本での長期居住の可能性が高い現状をふまえ、日本語・学習支援は、学校を核としながら、活動を続けていきます。 母国語支援は、今や「継承語」支援となりつつあります。子供自身にルーツの誇りを持たせることは、子供の人間形成へとつながります。母国語習得は日本の教科学習に有効であり、日本語と母国語の両方を有する子どもたちは、日本の豊かな言語資源となることが見込まれます。 |