令和5年度ブラジル人学校生徒キャリア形成支援事業(静岡県委託事業)

2023年09月07日

本事業では、県内のブラジル人学校(中等部・高等部)に通う生徒を対象にキャリア教育を実施しています。生徒一人ひとりが卒業後の自分の進路や将来について具体的に考え、さまざまな可能性があることを知り、進路について理解を深めることがねらいです。企業とブラジルルーツの先輩たちに講話をしていただいた講座の報告です。

オブジェチーボ・ジ・イワタ(磐田市)

8月9日(水)参加者 24名

講師

  • 浜松いわた信用金庫 (企業)
  • 聖隷こども園こうのとり豊田(企業)
  • 鈴与カーゴサービス浜松株式会社 (企業)
  • 浜松いわた信用金庫  相川 アンジェラ 氏(先輩)
  • 聖隷こども園こうのとり豊田 溝井 リキ 氏(先輩)
  • 鈴与カーゴサービス浜松株式会社 鈴木 カリン 氏(先輩)
  • 袋井市役所 田中 琢問 氏(先輩)
  • 静岡産業大学 石井 エドアルド 氏(先輩)

前半は、ブラジル人が多く住む浜松・磐田市に拠点を置く3社から説明をいただきました。
外国人のお客様が多い信用金庫や物流作業を担う会社、外国籍の園児を預かる保育園から、会社の概要やこれから求められるグローバルな人材についてお話を伺いました。後半は、先輩とグループディスカッションを行いました。

銀行業務に従事する先輩からは、数字が苦手な生徒からの質問に対して、銀行では総合職のほか専門人材の需要があるので、IT技術や経営、営業等の得意分野で入るチャンスもあること、勉強はだれでもできるから努力することや、日本語を学べば将来に必ず役にたつとアドバイスをいただきました。

保育士として働いている先輩からは、保育士になるためのスキルや資格、保育士になるための流れなどを説明いただき、子どもの成長が見られること、子どもたちの笑顔を見るのが一番のやりがいを感じること、子どもだけではなく保護者とのコミュニケーションや信頼関係をつくるためにも、日本語が必要だと話してくれました。

製造業で働く先輩からは、日本語を学ぶ楽しさや日本語の先生に協力いただき能力試験にチャレンジしたこと、正社員になった時の不安な気持ちを語ってくれました。

市役所で働く先輩からは、困っている誰かの助けになりたいと思っていたので、通訳の依頼を受けることもありやりがいを感じていること、大学生の先輩からは学生生活や勉強している専攻分野について等、それぞれの立場から後輩に向けて、熱心に自分たちの思いを紹介いただきました。特にこれから日本で生活を送るのであれば、日本語はがんばった方が良いとアドバイスがありました。

ブラジルにつながりのある先輩や受入をしている企業の皆様との交流は、これから自分たちの将来を考える良いきっかけになったようです。

ソヒゾ・デ・クリアンサ(菊川市)

8月31日(火) 参加者 39名

講師

  • 菊川シール工業株式会社 西川充 氏(企業)
  • PIZZA CMILAO 上野ミユキ 氏(先輩)
  • 静岡県教育委員会 静西教育事務所 地域支援課 日本語指導コーディネーター  村上 ナオキ 氏(先輩)

企業からの講話では、菊川シール工業の西川氏に講師を務めていただきました。菊川シール工業は、菊川市に本社を置く、工業用ゴム製品及びガスケット製品を取り扱う企業です。ブラジル人学校出身の社員も在籍しており、学校と同じ菊川市にある企業ということもあり今回ご参加いただきました。講座では、企業概要、仕事の内容、ブラジル人学校出身の社員の様子などを紹介していただきました。正社員と派遣社員の違い、待遇、必要な日本語能力等についても説明していただき、働くことに対する理解を深めることができ、また日本の会社で働くためには日本語をしっかり勉強しておかなければならないということが改めて分かりました。参加した生徒からは、日本語を勉強すれば将来多くのチャンスに恵まれることが分かった、日本語を集中して勉強しようと思ったといった感想があり、将来に向けてのモチベーションになったようでした。

後半はブラジルルーツの先輩として、菊川市でピザ屋を経営する上野ミユキ氏、静岡県教育委員会で日本語指導コーディネーターを務める村上氏にお話しいただきました。

お二人からは、自らの生い立ち、働く上で大切なこと、現在の仕事等について紹介していただきました。上野氏からは、自身の経験を基に、興味のあることは実際に体験することで分かることも多いので、いろいろなことに挑戦してほしいということ、自分の世界を広げるために、学校以外の人とも積極的に関わってほしいとアドバイスいただきました。また、将来自分でお店を開きたという人が注意すべきこと等についても教えていただきました。村上氏からは、日本で働きながら生活してくために一生懸命日本語を勉強したこと、チャンスはいつやってくるか分からないので、いつ来ても掴めるように準備しておくことが大切だと教えていただきました。自分が今の仕事に就けているのも、たまたまチャンスがあって、その時に日本語能力のベースがあったからだというお話しがあり、生徒の皆さんも学生時代にしっかり勉強しておくことが大切だと気付いたようでした。自分達と同じブラジルルーツの先輩からのお話しを聞き、自らの置かれている環境や自分の将来について具体的に考えるきっかけとすることができました。