エスコーラ・アウカンセ 静岡文化芸術大学訪問

2023年10月24日

(公財)静岡県国際交流協会では、静岡県内のブラジル人学校に通う生徒を対象とした日本語教育及びキャリア教育を実施しています。中には日本の大学への漠然とした憧れはあるものの、入学に必要な要件や基礎情報、求められる能力等について理解不足である生徒が多く見られます。        

浜松市にあるブラジル人学校「エスコーラ・アウカンセ」に在籍する生徒や教員から

近隣大学への見学希望の声があったことから、生徒が日本語学習に対して意欲を向上させ、高校卒業後の進路についてさまざまな可能性があることを知ることを目的とし、静岡文化芸術大学を訪問しました。

10月17日に高校生21名と教員4名が静岡文化芸術大学を訪問しました。始めに大学の学部やカリキュラムについて説明があり、その後、2グループに分かれて、講堂、教室、図書館、食堂、屋上等施設等の見学をしました。全員初めての大学訪問で、特に設備の整った教室や大きな講堂に感激していました。

後半は、ブラジルルーツで現在4年生に在籍している相川ヌビアさんに自身の経歴や現在の大学生活のことについて発表していただきました。相川さんご自身も中学2年生までブラジル人学校に通っており、14歳で浜松市内の公立中学校に入学した経験があります。日本の中学校では、日本語が分からず毎日泣いたこと、先生に教科書にルビを振ってもらったこと、高校は私立笹田学園に進学したことが語られました。高校に入ってからも日本語力は不十分で、初めは卒業することだけを考えていたけれど、周囲のアドバイスを受けて得意な英語を活かし、英語推薦で静岡文化芸術大学へ入学したことが紹介されました。そして、大学に入ってからは様々な国の留学生やルーツをもつ友達と出会ったこと、ブラジルを訪問する機会にも恵まれ、改めて自分のアイデンティティを見つめ直したこと等が語られました。エスコーラ・アウカンセの生徒たちに向けて、「悩むこともあるだろうけれど、自分次第で将来は開けていくので諦めないでほしい」というメッセージが送られると、涙を流しながら頷く生徒の姿も見られました。

全体の質疑応答では、入学要件のこと、授業料や奨学金のこと等多数の質問が挙がりました。今回の大学訪問は多くの刺激を与えたようで、生徒たちからは「勉強に対して目が覚めた」「相川さんの話に影響を受け、自分も夢を追いかけようと思った」「外国人でも日本でチャンスがあることに気づいた」等という前向きな感想が多く聞かれました。