日本国際連合協会 静岡県本部

第49回 「国際理解・国際協力のための中学生作文コンテスト」受賞作品

静岡県大会 静岡県知事賞

全国の部 銀賞

「本当の平和」
選択テーマ “もしも私が国連職員なら”
不二聖心女子学院中学校 3年 武藤瑛里 さん
 1945年8月15日。この日、日本は長かった世界大戦に敗れ、もう戦争をしないと誓った。平和主義国となり、今日まで戦争をせずに済んでいる。しかし、今の日本は本当に「平和」な国なのだろうか。確かに日本という国は物質的に豊かで、不自由さはあまり感じられない。その反面、悲惨な事件は後をたたず、北朝鮮など他国との関わりもあまり好ましいものではない。このようなことが起こってしまう原因は、「心の平和不足」にあるのではないかと思う。
 そこで私は「心の平和」についてもう一度考え直してみようと思った。私の学校では、お弁当のおかずを全校生徒が節約し、その分の百円を集めて貧しい国に送る節約弁当、世界の国で起きた災害の復興支援のためのクッキーセール、チャリティーセールなど世界に目を向けた活動をたくさんしている。また、定期的に奉仕活動も行っている。私は今までこれらの活動の意味をあまり考えず、言われたからやっているという気持ちで行ってしまっていた。しかし、「心の平和」について考えたとき、まっ先に私の心に浮かんできたのは、チャリティーセールや節約弁当のことだった。  この活動には、貧しい国の困っている人を助ける、という目的と、もう一つ、私たちの心を豊かにするという目的もあるのではないか、と思えてきたのだ。自分達がやったことが人の役に立った、という喜びや、奉仕させていただいた施設の方々がかけてくださる「ありがとう」という言葉のあたたかみは、知らず知らずのうちに私たちの心の糧となっていたのだと思う。これからは、校内の活動をもっと理解し、豊かな心を持った人になることを目指したいと思う。
 今、国連では2003年から2012年を「国連識字の10年」として、貧しい国の教育を受けられない子供たちのために、様々な支援活動を行っている。そのことが詳しく載っているホームページを見たら、アフリカなどの貧しい子供たちの現状が、写真と文でわかりやすく説明されていた。その現状は私たちの生活とはかけ離れていて、学校も質素で民家も小さなものが多かった。このような様子を知り、私はあらためて生活環境の格差と豊かな暮らしに感謝することを学んだ。そのことだけに意識を向けて生活することはできないが、日々の学校生活の中で、朝礼での祈りに真剣に耳をかたむける、温情の会委員が呼びかけてくださるチャリティーセールや募金、奉仕活動に積極的に参加するなど、私たちにできることをしてみようと思った。  豊かな国だから、貧しい国だからといった考え方ではなく、同じ人としてみんなが平和に暮らせるようになることを願っている。そのためにはどうしても必要なのがやはり心の平和だ。常に平和な心で人と接することができる人は少ないだろう。心の中にある怒りや憎しみは消すことができないものだ。しかし、傲慢になったり自己中心的になるのを抑えようとする意識さえあれば心の平和は保てるのではないかと思う。
 経済危機や、周りを信用できなくなるような悲惨な事件が続く今の社会で、物質的な豊かさについてももう一度考え直してみる必要があるのではないか。そうすることによって人と人との間にあたたかな絆ができ、思いやりのある社会が平和な世界への第一歩となることを願っている。

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