日本国際連合協会 静岡県本部

第56回 「国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール」受賞作品

静岡県大会 日本国際連合協会静岡県本部長賞

日本は国連で何をすべきか 
学ぶ日本から受け入れる日本へ ~内外両輪の国際支援~
静岡サレジオ高等学校 2年 石野直美 さん
 日本は海外から多くの文化を摂取してきましたが、これからは一方的な吸収ではなく受け入れることも重んじ、国際貢献も国外と国内の両面で平行して進めるべきだ、と思います。
 そう考えたのは、キリスト教の浜松教会を訪ねた時に外国人労働者のことを知ったからです。たくさんの外国人の家族が、ミサの前に聖書や日本語の勉強をしていました。平日も子供たちは週3回、1日5時間の授業を受けています。食事に事欠く子供たちには、軽食や食料を渡しているそうです。彼らが通っていたブラジル人学校が昨年来の不況のあおりでつぶれたため、教会がその一部を補っているのです。でも、やはり本当の学校ではないので、グラウンドや体育館はなく、教室の設備も整っていません。やはり本来の学校に行くべきです。が、2006年の時点では在日ブラジル人の子供のうち公立の小中学校に在籍したのはわずか4人に1人。高校進学どころではありません。大学にいくのが当たり前だと思っていた私は、驚き、ショックを受けました。
浜松市では人口80万の内ブラジル人が1万8千人と全国最多ですが、静岡市でも富士市でも相当な数です。国際問題は目の前の問題でした。彼らは税金を納め、法律を侵せば日本人同様に罰せられますが、参政権はなく、福祉サービスや救済制度を知らずにいる人もたくさんいます。かといって簡単には帰国や国籍変更できません。日本で生まれた子供にとってブラジルは知らない遠い国ですから中々帰りたがらないのです。また、ブラジルは二重国籍を許していても日本は認めていないので、日本国籍をとるなら、母国の国籍は捨てなければなりません。彼らは本当に厳しい状況に追い込まれているのです。
残念ですが私の家族も「外国人と仕事をするのは大変だろう」「犯罪も増えそうだ」と言います。私も正直なところ、何か手伝いたくて教会に行ったのにほとんど打ち解けられず、むしろ大勢いると怖いような気がしました。私の中にも「外国人差別や異文化無理解」があったのです。今や小学生から英語を学ぶ時代ですが、言葉だけでなく、違う文化の人達と共に生きていく姿勢を子供時代から身に付けさせる教育や政策が必要です。まずは身近に外国人がいることや、彼らの文化をもっと知ることが大切だと思います。私自身も地域社会の一員として、できることを実践していきたいです。生徒会役員2年目の私にしかできない活動として、昼の放送や掲示、図書便りなどで外国人労働者の問題を知らせたり、関連図書を紹介しようと思っています。そして理解者の輪を広げ、色々な部活や委員会でできることを提案し、できればクリスマスにブラジル人たちとの交流イベントを行なおうと計画しています。
 また日本の今後の国際貢献にも提案があります。わが国は国連難民高等弁務官事務所などを通して難民問題に大きく貢献してきました。しかし足元を見ると世界不況の中で、外国人労働者達が今や“経済難民”といえる状態です。彼らに対しては難民に順ずる柔軟な対応策を検討すべきではないでしょうか。国連難民高等弁務官事務所は「自発的帰還が最も好ましい解決策だが、それが不可能なら新たな国での生活を支援する」という目標を掲げています。その対象は難民に限らず庇護希望者や帰還民、無国籍者も含みますから、外国人労働者も対象として考えられます。人の動きがますます流動的になっているグローバル社会。日本では厚生労働省と外務省が国連難民高等弁務官事務所や国際労働機関といった国連機関ともっと連携することで、さまよい困窮する人々をもっと救うことができるのではないかと思います。

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