国という概念が無い世界を想像するようにと歌ったのはジョン・レノンです。メッセージが完全に理解できたわけではありませんが、国際紛争やテロの応酬を毎日のように報道から知らされると、理想として肯定したくなります。
ただ広い宇宙の片隅にポツンと所在なげに浮かぶ小さな地球の中で、ただ住んでいる場所の違いだけで生活状況に格差が生じるのはおかしいと思いますし悲しいことです。特に不可抗力の子供が教育を受けられないというのは無限の可能性を潰してしまうようで胸が痛みます。戦争で家を失い荒れ果てた町の中で呆然と立ちつくしているのも子供、干ばつなどの天災で食べるものを失い動くこともできず、石のようにうずまっているのも子供、みんな私達と年が変わらないか幼いのに、すでに人生が終わってしまったかのように疲れ果てています。こういった状況を見たり聞いたりして、おかしいと思わない方がおかしいです。
物心ついた時から私の母は事あるごとにユニセフに寄附を行っています。郵送されてくる振込用紙に記入し郵便局へ当然のように持って行く母にいつか理由を尋ねたことがありました。遠い外国の子どもたちのために何かしてあげようというモチベーションの出所が分からなかったのです。しかし母の返事は簡単なものでした。「できることだからする。」ただこの一言だったのです。ユニセフという組織の活動内容を知るようになったのは中学生になってからで、識字運動や図書の提供といった教育活動にとどまらず、伝染病へのワクチン接種や浄化された飲料水、高カロリーの食料の供給といった生活全般に係る支援を行っていることを知りました。
世界中に一つでも多く学校ができればいいと思います。校舎や黒板、机といったハード面も教育などのソフト面もそろった学校が。テレビで見る途上国の学校で勉強する子どもたちの目はキラキラと輝いています。母国の言葉を読み書きできていくことが本当に嬉しそうです。不満ばかり口にしている私達が忘れかけている知ることの喜びが彼らの表情には満ち溢れています。当たり前のように学校に通うことができるというのは実に幸せなことだと気づかせてくれます。
援助や寄付という言葉にはどうも上から下に分配するというイメージがあるような気がしますが、同じ目線に立ち、ギブアンドテイクの精神で接することが必要だと思います。地球全体を見渡してみると、緑地の砂漠化や伝染性を持った風土病、生態系を変えかねない異常気象など、何か手をうたなければ深刻な事態を引き起こしてしまう緊急を要する問題が多く見られます。もちろん世界中の人達が一致団結して取り組むことも大事です。しかしそれ以上に、その土地に永年住み何代にもわたって生活をしてきた人の経験や知恵が必要であると思います。日本人より日本のことに詳しい人がいないのと同時に、アフリカのことはそこに住む人が一番分かっていますし、他のどんな地域でも同じことが言えるでしょう。そのためにも地球に住むすべての人々が等しい教育を受け、困難を克服していく力をつけていくべきだと思います。そしてそれが私達地球人全員の利益となりテイクすることとなります。決して支援は一方通行ではありません。
少々疲れ気味のちっぽけな地球を誇れる惑星に再生するためにも未来を生きる子供達に活力が必要です。格差の無い教育機会を与えることがその一歩となり、無限の可能性が広がっていくのでしょう。


