平成29年度 医療通訳者養成講座(ポルトガル語、スペイン語、中国語、フィリピン語)

2018年02月04日

イメージ画像

イメージ画像

 

当協会では、静岡県と共催し、病院内で医療通訳者として活動できる人材の養成を目指し、静岡市において、全3回の医療通訳者養成講座を開催しました。4言語(ポルトガル語、スペイン語、中国語、フィリピン語)の受講者81名が、外国人医療や日本の医療制度、医療通訳に求められる知識、技術、倫理について、また、言語別に医療通訳実技等を通して実践的に学びました。最終日に評価試験を実施し、医療通訳者として登録を行い、今後病院からの要望に応じ、医療通訳者としての活動を行います。

静岡県に住む在留外国人の数は83,000人(平成29年6月現在)で、毎年増加傾向にあります。在留資格別に見ると、永住者が45.6%を占め、全国と比べ比率が高いなどから、定住化が進んでいることがわかります。国籍別に見ると、ブラジル人が最も多いのは変わりませんが、以前は約半数を占めていましたが、現在は3分の1程度に減少し、一方フィリピン人は年々増加しており、近年ではベトナム人の増加が顕著であるなど、アジア圏をはじめ多国籍化が進んでいます。

そのような中で、病院を受診する外国人も増えていますが、安心して医療を受けられるために、外国人患者と医療従事者を仲介し、両者の相互理解を支援する多言語での「医療通訳者」が必要とされています。

当協会では、平成25年度に静岡県内医療機関の外国人受診者対応に関する現状調査を行い、多くの医療機関では、外国人受診者や通訳者の医療知識や医療制度に対する理解不足や言葉が障害となったコミュニケーション不足が、外国人受診者と病院間のトラブル等の原因になっているとの報告を受けました。病院を受診する外国人患者からの医療通訳者の派遣依頼の増加に伴い対応ができないことなどから、医療通訳体制の整備に向けた取組を行っています。

 

日程

時間

講義内容

10月15日 日曜日

 

10時~16時

外国人医療について

講師
静岡県立大学 看護学部看護学科 濱井 妙子氏
内容
医療通訳の役割について 

日本の医療制度について

講師
静岡済生会総合病院 医療ソーシャルワーカー 岩﨑 圭介氏
内容
医療保険・社会福祉制度について

医療に関する知識

講師
静岡済生会総合病院 助産師 望月 聖子氏
内容
基礎的な病気の知識とその症状に関する必要な知識(出産)

 

10月29日 日曜日

 

10時~16時

医療通訳者に必要な知識・技術・倫理

講師
神奈川県勤労者医療生活協同組合
港町診療所所長・総合内科専門医 沢田 貴志氏
 

  1. 患者背景・多文化に関する知識・理解
  2. 医療に関する知識
    基礎的な病気知識とその症状に関する必要な知識(内科)
  3. 医療通訳の現状と課題
    医療機関での通訳、医療通訳に対する社会的課題

 

11月12日 日曜日

 

 

医療通訳に必要な技術

  1. 異文化コミュニケーション
    講師
    榛原総合病院 臨床修練医 フランシア カンボス氏

  2. 場面から学ぶ
    講師
    スペイン語 浜松医科大学 形岡 洋光氏
    中国語 静岡県立こども病院 小児科専攻医 陳 又豪氏
    ポルトガル語 榛原総合病院臨床修練医 フランシア カンボス氏
    フィリピン語 介護福祉士・介護支援専門員 パラデロ モン アンジェロ氏
    ファシリテーター:静岡県立大学 看護学部看護学科 濱井 妙子氏
    内容
    通訳実践技術、逐次通訳、逐次通訳のプロセス、逐次通訳に必要な能力や技術・医療現場での通訳を想定したロールプレイ