あなたの会社にも外国人正社員 外国人を正社員として雇用している先進企業の事例報告会

2016年12月01日

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静岡県国際交流協会は、外国人を正社員として雇用したい企業と、まじめに長く働きたい意欲がある外国人との就職マッチングに取り組んでいます。

少子高齢化に伴う人口減少社会が到来し、今後ますます企業を支える労働力の不足が深刻になるといわれています。そのような中、定住外国人を正社員として雇用し、成功している会社が増え始めています。

去る10月18日、静岡県男女協同参画センター「あざれあ」において、外国人正社員を採用している㈱鈴与カーゴネット浜松 取締役 大鐘進嗣氏及び外国人従業員 森チアゴ氏から、お話を伺いました。

外国人採用に興味がある静岡県の企業31社が参加されました。

トラックドライバーが多く勤務する会社ですが、なり手が減少し、ドライバーの高齢化が進み人材不足が顕著になったことから、採用の多様化に取り組むようになり、外国人採用を始めました。採用を始め今年で3年目、20~30歳の合計6名のブラジル人が勤務しています。

採用する手順として、志望理由の確認をした上で、長く勤めて欲しいという会社の要望を伝え、また、日本語能力では、ひらがな、カタカナが書けること、読めること、コミュニケーションが取れることを確認し、採用に踏み切りました。

日常のコミュニケーションには問題がなかったのですが、道路標識の再教育が必要だったり、イレギュラー対応がむずかしいため、仕事が限定されるなど、いくつか問題点もあります。教育の中で、運行に必要な情報をポルトガル語に翻訳して配布したり、研修を長く設定するなどいろいろな工夫について、管理者からの報告がありました。

また、外国人社員のチアゴさんからは、日本語を熱心に支援してくれた中学校の先生への感謝の気持ちや、この会社に入社したいきさつ、そして、正社員になってとてもうれしく感じていること、家族との安定した生活が送れることを幸せに感じていることなどの報告がありました。

最後に、外国人社員について、荷物をきちんと客先に届け、ある面では、日本人より真面目であること、みんな性格が明るいので職場環境が明るくなったこと、日本人社員がいろいろ気付いて教えるようになったことなど報告がありました。今後の担い手確保に向けた効果的な事業として高い評価を得ているとのことでした。

参加者からは、「外国人の生の声が聞けてよかった。」「外国人労働者のことが少し理解できた。」「労働人口減少の中でのヒントをもらった。」など、感想をいただきました。

外国人の参加者から、「正社員になるメリットがわからないから、正社員になると面倒くさいので今のまま、と考える外国人もいる。」などの意見も伺い、今後この事業を進める上では、正社員になるメリットを外国人に丁寧に説明する必要があると痛感しました。

鈴与カーゴネットからは、正社員になれば派遣では考えられない乗務員のリーダーや班長への昇進など、道が開かれているとの説明がありました。