静岡人・地球人~日本の文化・習慣を学ぶ IN 静岡県~

デシャニ・ニサンサラさん 静岡市在住(スリランカ出身 )さん

静岡市在住 首都大学東京大学院人文学部研究科在籍


 

日本政府の男女共同参画が進められている現在、他国の女性たちは女性の社会進出についてどんな意見を持ち、従来の封建的な考えかたからどのような意識改革を図ろうとしているのでしょうか。男女平等という視点からいくつか質問し、スリランカの女性デシャニさんさんにインタビューを求めました。ところが意外なことにスリランカでは、発展途上国と位置づけられている国としてはめずらしく、識字率は92.5%で、男女平等主義が普及しているとのことでした。

デシャニさんは、以前静岡県立大学国際関係学部に在籍し、静岡県ふじのくに親善大使として活躍、現在は1才と3才のお子さんを持ち、首都大学東京大学院の人文科学研究科で社会人類学の博士課程に通っているお母さんです。以下、デシャニさんのお話です。

「最初その質問を聞いた時、どう答えてよいか戸惑いました。それはスリランカでは男女の差別がほとんどないからです。女性の社会進出というと、1960年にはすでに世界初のシリマヴォ・バンダラナイケという女性の首相が出ていますし、その娘も親子2代にわたり女性の首相を務めました。大統領職にも就いています。一般に、学歴は女性のほうが高いですし、エリートと呼ばれる職業には女性が大勢います。

スリランカの女性は社会で働くことが当然という意識を持っています。あらゆる職場で女性が働いていて、女性の働き場のほうが多いのです。雇用時期が決まっていなくて、公務員であっても1年中いつでも就職できます。資格とキャリアさえあれば男女の区別なく昇給し、昇進できます。

専業主婦はいません。保育園は少ないですが、親との同居が多いので子供は祖父母にみてもらい、核家族の場合ですとメイドやベビーシッターを雇って女性もフルタイムで働きます。アルバイトやパートという働き方はありません。企業は子育てしている女性に対して親切です。子供を職場に連れてくることもよくあり、迷惑をかけない限りほかの部屋で遊んでいてもいいのです。

男女差が無い中、唯一例外があります。スリランカの男性は絶対に家事をしません。家事をする男性は低く見られるのです。一方女性達は仕事をしながら家の事もこなしますが、それを負担だとは思わず家族への愛情だと思っています。

女性が非常に働き者です。

家事と職業の両立に自信が無いように思われます。彼女たちは、子供を保育園に預けて外で働くよりも、家にいて子供に尽くすほうがいいという気持ちが強いです。私から見たら大学教育を受けたのに本当にもったいないです。家で1日中子供と一緒だとストレスがたまりますが、社会に出て自分の好きな仕事をしていれば、精神的バランスが取れて子育てにもいい影響が出ると思います。スリランカには選択肢に専業主婦というのはありません。

 

2009年に内戦が終結し、外国に逃れていた人々がまた戻ってきています。スリランカには男女の差別問題というよりむしろ貧富の格差や、他民族国家ならではの宗教や民族上の対立がこれからの取り組むべき問題として存在しているのです。」

編集委員

私たちは、自分の尺度で他国を測り、間違ったイメージを抱きがちですが、隣国は無論のこと、できるだけ多くの国々の本当の姿を理解するように努めたいものです。

 

                                    記:編集ボランティア 川島 康子


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