多文化共生を考える焼津市民の会「いちご」

2019年11月08日

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メッセージ 興味を持っていただけたなら、いちど見学に来てください。私達の活動に加わってくれてもいいし、みなさんの地域で同じような活動を始めてくれても構いません。私のような「素人」でも始められます。これまでのノウハウ(僅かですが)もお伝えします。
子供たちについては、勉強熱心でなかったり、飽きっぽかったり、こちらの思ったようにならないことがほとんどです。それでも、「去る者は追わず、来る者は拒まず」、また彼らの文化や背景を尊重し、「上から目線」にならないよう、支援の強要にならないよう、柔軟な姿勢で捉えてもらえたらと思います。
日本にいながら、自分の住む地域にいながら、国際交流・国際貢献ができるなんて、こんなに素晴らしいことはありません。外国にルーツを持つ子供たちは、私達に多くのものを与えてくれる、「地域の宝」です。彼らがいることで、多様性に富んだ、マイノリティにも優しいまちづくりが、一歩でも二歩でも進んでくれたらいいなと、心より願います。
団体名 多文化共生を考える焼津市民の会「いちご」
市町 焼津市
取組名 子供たちへの学習支援(しゅくだいひろば、放課後ひろば)
総事業費 1000000
助成金額 900000
連携団体 静岡県立大学国際関係学部・高畑研究室、焼津市大井川公民館、
焼津市利右衛門自治会
株式会社アクト、焼津高等学校、静岡サレジオ高等学校、
YFC(Yaizu Filipino Community)
背景 外国から来た子供たちが十分な学習を受けられないことが、将来的に、日本人児童生徒の学習環境悪化につながること、また地域の治安悪化になると考え、それを防ぐ目的で、支援を行おうと思い立ちました。県立大学の高畑先生や、派遣会社の㈱アクトさまなどの協力を得ながら、手探り状態ではじめました。
目的 会の目標としては、日本人と外国から来た人たちが、ともに安心して暮らせる地域づくりとしています。来日した子供たちが学校で楽しく過ごせるように、また少しでも学習について行けるように手助けすることが目的です。また、学校と家庭以外の「第3の居場所」として、彼らが成長する上で何らかの形でプラスになればと考えています。加えて、日本人の高校生や大学生にはボランティアとして関わってもらい、これからの時代を担っていく若者に、多文化共生の体験をしてもらう場にしようと取り組んでいます。
概要

【しゅくだいひろば】冬春夏の長期休みごとに開催。終日1日間のイベントです。主に大井川公民館を会場とし、午前は休み中の宿題を進め、午後はレクリエーションを行なっています。対象は焼津市および近隣市町の20~50名。冬休みには「書き初め」、夏休みには「絵画教室」など、一人では進めにくい課題を、講師を呼んで取り組んでもらいます。また美容専門学校のデモ体験など、将来の進路・職業選択に対してのアプローチも行なっています。支援者は高校生、大学生、市民等あわせて50~70名。先生役は学生に任せ、大人たちは運営サポートに回ります。

 

【放課後ひろば】毎週末10:00~12:00に、「歩いて通える」範囲の子供を対象とした勉強会を開催。来日直後の子供たちへのひらがな・カタカナ指導しています。毎回5~15名の参加があり、指導者は市民、学生、焼津市青少年ボランティア(中高生)など、2~10名です。小さい子は飽きるので、いろいろな遊びを取り入れたりしながら、楽しく通ってこれるよう努力しています。

 

【中古ランドセル】来日直後の家庭にとって、学校へ通うための物品購入は大きな負担です。不要となったランドセルを日本人から寄付していただき、必要な家庭にお届けしています。焼津市教育委員会および市民協働課窓口に案内を置いたり、教会や外国人コミュニティに直接渡します。
【その他】子供たちの学習状況についてアンケート調査を行い、焼津市や議会に報告しました。

特色/特徴

・代表自身が特殊な資格を持っていませんので、参加する子供たちも、支援者も楽しく続けられることを優先し活動しています。また地域や派遣会社、大学、高等学校など、さまざまな団体に協力をしていただいています。

 

・毎回、支援者同士の反省会を行い、よりよい対応を行えるよう、努力しています。経験はまだ少ないですが、参加者みんなで作り上げているという一体感があります。

 

・教育委員会、市議会、マスコミにも随時情報提供や意見交換を行い、個々の子供たちを支援するだけでなく、行政の仕組みとしてよりよい方向にもっていけないか、また一般の日本人の意識(差別、偏見ふくめ)を変えられないかとの働きかけも行なっています。

実績

【当事者(児童生徒)】
「しゅくだいひろば」を毎回楽しみにしている子、毎週勉強に通ってくれる子がいます。学習効果としてだけでなく、地域に応援してくれる人がいる、自分たちが日本社会で受け入れられているという「実感を持てる場」になっていると自負しています。

 

【支援する日本人学生】
自分が子供たちの役に立てるという体験、うまく教えられなかったという悔しさ、生まれや人種が違っても分かりあえるという喜び、自分たちが恵まれた学習環境にあるという再発見・・・など多くの気付きを与えてくれます。このような体験をした若者が、いずれ社会に出て、よりよい世界を作ってくれるのではないかと考えています。

 

【地域】
ゴミ出しや騒音問題などで快く思わない人もまだ多いですが、理解者も徐々に増えてきていると感じます。

今後の展開

・中3生が受験勉強中ですので、いい結果を得られるようサポートします。

 

・日本語の習得が進まない、または学校の勉強についていけないことから、不登校となったり、将来への希望をなくしてしまう子供たちが多くいます。大きな課題ですが、私達としてできることを模索して行きます。

 

・青少年ボランティアの中高生、また子供たちの保護者など、いろんな人が参加し、ごちゃまぜになってお互い助け合うような、優しさのあふれる「場」にしていけたらと、考えています。

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